「こんな子が滑れるわけがない。さっきも見てるだけだったし。」
「ジャンプなんて、1ミリも飛べなそう」
ほうほう。
これは流石に頭にくるぞ。
怒りを胸にコーチの方を見ると、笑いながらこちらを見ている。
くそジジイが!
「だってよ。滑って見せれば?笑」
「くそジジイ」
「ちょっと茅菜!くそジジイはダメでしょ」
「ふん!」
あーもー、滑ってやる!
休憩時間に入り誰も滑っていないリンクに1人、立っている。
スケート場に居る選手は数が増え約30人程いる。
曲はハヤと同じ曲。
振り付けはハヤと同じ。
だが、少しアレンジを入れジャンプの難易度を変えた。
曲がかかると茅菜は、その場に居る人の目線を奪っていった。
しなやかな体を十分に使い、指の先まで大きく使う。



