"死なないで"なんて、言わないで。


「気にならねーのか?」










「気になるよ。でも、私にはそんな勇気ない」






そうふたりが話していると突然茅菜が足を止めた。






茅菜の視線の先には、女の人と歩くジョンの姿だった。









「あれって……」









「ジョン?」










「そんなわけないよね。アメリカに行ったんだし。こっちに来るわけない」






「ちょ、おい!」









茅菜は、目元を赤らめながらその場を立ち去った。








その日の夜は何故か眠れなかった。