拍手が遠くから聞こえてくるような感覚に襲われた。 病気で、万全の状態を作り上げられなくても最高の滑りができた。 茅菜は、時を忘れその場に座り込んでしまった。 「茅菜ーー!おつかれー」 「茅菜ちゃーん」 「サイコー」 「みんな……」 当たりを見渡すと顔見知りの人達がえがおでこちらを見ていた。