「自分のベストを尽くすんだぞ」 「はい。」 ジャージを脱ぎ、叶逢とお揃いの衣装を拳に握る。 「大丈夫。」 私なら行ける。 最後に鼻を噛んだ後、リンクの中心に茅菜は勢いよく飛び出した。 あたりは静かになり茅菜だけの世界が広がっていった。 しなやかな滑りに細々としたステップ。 誰もがめを惹き付けられる演技に会場は盛り上がっていく。 ジャンプは、決められているためそのひとつを大切に踊る。