"死なないで"なんて、言わないで。



「そうか」







「じゃぁ、頑張ってね」







2人は真剣な表情に変りリンクに入っていった。





そんな叶逢を見るのが、茅菜は大好きだった。






叶逢の専属のコーチは、世界でメダルを取ったことのある有名な選手のコーチだったこともある人だ。








だから、叶逢はいろんな人から期待されていた。








プレッシャーに感じてるんだろうなー。









「羨ましい」










「ん?」










「あんな奴が、コーチに教えてもらえるなんて」







「それ、あんまり滑り良くないのにね」









あー、これは僻みだな。








スケート靴をはいて、水筒を持った二人の女性が睨むように叶逢を見ている。










確か……前の大会で叶逢に負けた人だよね?