【番外編】ないじつコンブリオ




「いや、あの……靴くらい自分で履けますから」



しかし、クリヤマさんは、首を横に振りました。



「俺に、させてください」

「こいつ、ただの変態だぜ!」

「生意気な娘は黙っとけ」



クリヤマさんは優しく、ハナの足に硝子の靴を履かせました。

それはもちろん、ハナの足にぴったりでした。

何故かしら運命を感じ合った二人は、結婚したいと思ったのです。

二人でハナの父親に恐る恐る挨拶に行くと、父親はニコリと微笑みました。

そして、こう言ってくれたのです。



「ハナが良いと思った人やないと、あかん。それに、誠実そうな青年や。クリヤマさん、娘を幸せにしてくれると、信じとるでな」



そのあと、ハナの父親とクリヤマさんは、応援している野球チームの話題で、意気投合しました。

そして、二人は何年後かに、結婚することができたのです。

二人はおじいさん、おばあさんになっても、幸せに暮らしましたとさ。






ハナデレラ
おしまい。