──昼休み。

「で、議論のテーマは『シャイニングの未来の展望について』だったか?」

「ずいぶん壮大ですね。俺が言いたいのは、もっと建設的に業務を進められるような制度を決めるべきだと」

「分かってるよ。だから先ず試験的にお前たちにコンビを組ませたんだ。言い出したのは部長だけどな」

課長命令じゃなかったのかよ。

「蘭さん、俺の仕事以外にもいろいろと他の課員から依頼を引き受けてます。午前中、2課からも来てましたし。まだコンビ組んで間もないし、ペースを掴むために調整しながら進めようと思ってたんですが。できれば俺の仕事に専念してもらいたいですね」

「ふーん…お前の中ではもう合格ってことか。1週間くらい試用期間かと読んでたけど」

「そのつもりでしたが。あれだけデキるとは正直言って意外でした。俺の専属ってことになれば、もっとスパルタで鍛えようと思いますが」

議論が白熱してきたけど、これってシャ食でする話か?

因みに、俺は"トルコライスとサラダのセット"
課長は"オムライスとサラダのセット"

食べるか喋るかどっちかにしたいのが本音だが、時間がないので仕方がない。

「そうか、俺の予想を遥かに上回ったな。お前がそのつもりなら、すぐにでもそうしたいけど。実際、蘭さんに業務が集中してるんだもんな……」

「蘭さんは断らない主義なんですかね。なんでもかんでも引き受けてるように見えますが」

「いや、それは違う。アイツは自分のキャパをちゃんと分かっているはずだ。引き受ける=デキる、ということ。俺が見てる限りでは無理してる様子はないし、残業だってほとんどしてないぞ」

「昨日も、ですか?」

「昨日は珍しく定時過ぎてたな。帰ったのは18:15頃だったか。夢中になりすぎたって慌てて帰って行ったよ」

慌てて?
約束でもあったのか。

「午後から出るんだろ?いない間は他の奴らも蘭さんを頼る訳にはいかないし、まあ俺に任せておけ」

「お願いします、宮本課長」