わたしは走った。


見せたかった藍色の花火の浴衣。



似合ってるって言葉を言われる筈だった。



嘘だ。


音は 、花火が好きだった。



わたしは、がむしゃらに走った。


「痛っ、わたしーーーー。
タクシー。」

いつも使ってるタクシーも、
混雑した騒音の中じゃ、よく聞こえない。




ヒューーーーードン!







また、上がる花火を見上げて泣いた。



あるわけない。




そうだよ。



音は必ず、来てくれる。
約束した。



わたしは、足を止めた。