あるわけない。

約束した、今年も見ようねって。


大好きな夏の季節。

大好きな人の隣で

いつもみたいに、笑ってーーーー
見る筈だった花火。







「遅いな、音。
何してんだろ?
始まるのにーーーー」






ヒューーードン!!








それは、何かの合図。





ううん。





「あ、電話。
音ーーーーえっ?

あのさ、意味わかんないんだけど。
あるわけないよ。


そんなことーーーー嘘つかないで!」





音からの着信。

確かに音からの、電話だったよ。




だけどーーーー












ーー音くんが、事故でさっきーー











あるわけない。






それは、終わりの合図だった。