あの後、2人で廊下を歩いていた。
私と部長の間には沈黙が流れる。
「華草。ごめんな。今まで嘘ついて。」と部長は言った。
「いえ…大丈夫です。」私はボソリと言った。
「兄さんは良く話してた。お前の事。」と部長は言う。
「あの…すみません。」私は部長に言う。
「ん?どうした?」と部長は言った。
「慶は…慶は今どうしてるんですか?」と聞くと、部長は固まった。
「部長?」私が聞くと、
「あ、いや。うん。なんでもない。」と言った。
気まずくなり、私は喋る事をやめた。
ふと、自販機があった。
「華草。ちょっと話さない?」部長はそう言って自販機の隣のベンチに座った。