あの日消えた君を追いかけ

「そう。雨笠 秋夫。彼に騙されたんだ…」会長は顔を下に向けた。
隣に座っている部長をそっと見ると、
部長は下唇を噛んでいた。
ガタッと音がする。
それは、部長が立ち上がった音だった。
「ぶ、部長?」私が声をかけると、
「すみませんでした!」部長は会長に頭を下げた。
「黄島くん?どうしたんだ?」と会長が言う。
「雨笠 秋夫は俺の父親です!すみません。本当にすみませんでした!」と部長は言う。
それを聞いた会長達や私は驚いた。
慶のお父さんの息子?
それなら、全部一致する。
昨日の「けい兄さん」って言葉も…
じゃあ、部長は慶の弟になるの?
私は部長を見上げた。