ふと、時計を見ると定時を過ぎていた。
他の人達は既に帰っていて、私だけだろう。
ガチャッとドアの音がしたと思い、そっちを見ると部長が手に何かを持って立っていた。
「部長!まだ帰ってないの?」と言うと、
部長は、私に手に持っていた何かを投げてきた。
キャッチすると、それはカフェオレの缶だった。
「お疲れさん。それやるよ。どうせ残業するだろ?俺もするからさ。」と部長は言った。
「あ、」と部長はいきなり声を上げた。
「なに?」と聞くと、
「カフェオレで良かったか?俺がコーヒーのブラック飲めなくて買ったけど...」と部長は言った。
それは、部長の意外な一面だった。
「大丈夫。私もコーヒーのブラック飲めないからさ。」私も言った。
カフェオレ。私と部長の共通点になった。