かしこまりました。

そう言ってパッと新幹線のチケットを渡す。
さすが!

指に挟まれたチケットをありがたく頂く


早く行かな!
みのりさんからもらった煮物のタッパーを持って志木の部屋を出る




「杏様」

???



「何かあればいつでも私を頼ってください。そして、ココではなくても…また、私の元へ会いに来てくださいね」


……せやな


「ごめん、あたしの勝手で振り回して。バタバタして帰ることになってごめん。母上に呼ばれんでも、またココに戻るから……頼りにしてる」



きっと帰るまで志木はあたしと色々話したかったはずや。
でも今は…慧が心配


頼りにしてる


その言葉で志木は喜ぶ
でもあたしは、彼を縛るようでその言葉は嫌いだ


" いってらっしゃいませ "


志木の優しい声を聞いてから廊下へ出る。
見たことのない使用人や、顔見知りの使用人に出かけると声をかける



" いってらっしゃいませ、鈴様 "



はぁ


また戻る


時が来ればな