「あ、ち、違うの。
ユリアが悪い訳じゃないの。
私がひとりになりたくてお願いしたの。
お願い! ユリアを叱らないで。」

私はクラウスに懇願するけれど…

「王女殿下は黙っていてください。
これは、ユリアが職務を放棄したのと同じ事
ですから。」

クラウスは、ユリアにたっぷりとお説教をし、最後には、

「処分は追って連絡します。
荷物をまとめて、部屋で謹慎して
いなさい。」

と言い渡した。

それって…

「だめよ!
ユリアは悪くないの。
お願いだから、ユリアを首にはしないで。
そんな事をしたら、私、自分が偽物だって
ばらすわよ?」

私がそう言うと、今度はクラウスは私を睨んだ後、ため息を吐いた。

「王女殿下よりは素直な方だと思ってました
が、顔貌が似ていると、気の強さまで
似るものなんですね。」

「え?」