どうしよう…

「失礼。
残念ながら、もう会えませんよ。」

「アルフ… 」

私の後ろから現れたアルフは、そう言って私の肩を抱いて、自分の方へ引き寄せた。

「アルフレート王子…でしたよね?
なぜ、あなたがそんなことを
おっしゃるんです?
前回の舞踏会でも、あなたはずっと彼女と
踊ってましたよね?」

それを聞いて、アルフは私の顔を見た。

私はアルフにちゃんと説明したいのに、レオポルト王子の前じゃ話せなくて、ただ首を横に振ることしかできなかった。

「何をおっしゃってるんです?
前回、私は、フルーナ王女と
踊ってましたよ。
あなたもそうでしたよね?」

アルフはあくまでしらを切り通してくれるらしい。

「いえ、私は、彼女と踊って、彼女に結婚を
申し込みました。
例え、見た目がそっくりでも、自分が本気で
結婚を申し込んだ相手は間違えませんよ。」

レオポルト王子は自信満々で言い切る。

「あなたが、どう勘違いしようと自由
ですが、彼女は、私とまもなく婚約
します。
ですから、申し訳ありませんが、諦めて
いただけませんか?」

アルフは落ち着いて言うが、それを聞いたレオポルト王子は、目を見開いた。