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「本当に良いのか?」
「アムール様?」
ブラッドから離れた私の側に、アムール様は隣に来ると声を潜めてそう聞いてくる。
「俺たちはエアの守護者だ。だからエアの願いは俺たちの願いでもある。それを叶えず、たった一人の女のために行動するのか?」
「はい」
私はその言葉に迷うことなく返答した。
さすがのアムール様も直ぐに返事が返ってくると思っていなかったのか、少し驚いて目を瞬かせていた。
その姿に私は軽く笑った。
あの子が初めて主になった時、私はこう思ったんです。
「この子がエアの願いを叶えてくれる最後の存在」
だと。
本当に幼い頃のあの子は泣き虫で、臆病で怖がりで、そんな彼女を間近で見ていた私は、まるで昔の自分を見ているような感覚になりました。
聖国で【聖女】として育てられた私は、誰よりも神様の存在を信じてその声を聞き民たちを導いていました。
しかし聖女と言ってもその代わりはいくらでも居たんです。
私はその中で【特別な力を持つ子】と言う理由だけで選ばれただけで、本物の聖女でも何者でもない存在でした。
物心つく前から聖女として育てられ、厳しい教えを体に叩き込まれて、辛くて苦しくて怖くて……私はずっと一人で隠れて泣いていました。
その傷は今も消えることなく跡としてくっきりと残っています。
だから私はこの体を人に見られるのがずっと怖かった。
こんな傷を見られたら絶対に軽蔑される、鋭い言葉で罵られると思っていたんです。
「本当に良いのか?」
「アムール様?」
ブラッドから離れた私の側に、アムール様は隣に来ると声を潜めてそう聞いてくる。
「俺たちはエアの守護者だ。だからエアの願いは俺たちの願いでもある。それを叶えず、たった一人の女のために行動するのか?」
「はい」
私はその言葉に迷うことなく返答した。
さすがのアムール様も直ぐに返事が返ってくると思っていなかったのか、少し驚いて目を瞬かせていた。
その姿に私は軽く笑った。
あの子が初めて主になった時、私はこう思ったんです。
「この子がエアの願いを叶えてくれる最後の存在」
だと。
本当に幼い頃のあの子は泣き虫で、臆病で怖がりで、そんな彼女を間近で見ていた私は、まるで昔の自分を見ているような感覚になりました。
聖国で【聖女】として育てられた私は、誰よりも神様の存在を信じてその声を聞き民たちを導いていました。
しかし聖女と言ってもその代わりはいくらでも居たんです。
私はその中で【特別な力を持つ子】と言う理由だけで選ばれただけで、本物の聖女でも何者でもない存在でした。
物心つく前から聖女として育てられ、厳しい教えを体に叩き込まれて、辛くて苦しくて怖くて……私はずっと一人で隠れて泣いていました。
その傷は今も消えることなく跡としてくっきりと残っています。
だから私はこの体を人に見られるのがずっと怖かった。
こんな傷を見られたら絶対に軽蔑される、鋭い言葉で罵られると思っていたんです。