「しかしそれはオフィーリアの【死】を意味することになります」

「――っ!!」
 
オフィーリアの死を……意味することになる……!? 

その言葉に心臓が大きく跳ね上がったと同時に酷く動揺した。

必死に抑え込もうとした感情以外にも、たくさんの負の感情が一気に押し寄せてきて、一瞬目の前が揺らいた。

「星の涙とオフィーリアの命は見えない糸で繋がっています。もしそれが断ち切られてしまえば、オフィーリアは寿命を待たずに死んでしまいます」
 
【死】と言う言葉が頭の中でグルグルと回っていく中、俺はある違和感を覚えた。

「おい……ちょっと待て! 話が違うじゃないかよ!」
 
アルバはオフィーリアを助けられるのはクラウンだと言った。

しかしオフィーリアからクラウンをトトだと認めさせる事は、彼女の救済には繋がらない。
 
オフィーリアがクラウンをトトだと認めた瞬間、星の涙はエアの願いを叶えたと判断してこの世から消滅する。そしてまた同時に彼女も死んでしまう。
 
これのどこが彼女を救う事が出来る道だって言うんだ! あいつは何を思ってそんな事を!

「もしかしたらアルバの考える幸せって言うのは、【安楽死】の事を指しているんじゃないのか?」

「…………安楽死?」
 
俺たちの話をじっと聞いていたアルは、レーツェルの話を聞いて確信に至ったのか言葉を続ける。

「星の涙を守るために死んで行った者は多いだろう。もちろん彼女は自分のせいで、大勢の人が亡くなった事だって経験しているはずだ」

「それは……」
 
そうだ。

オフィーリアは前に言っていた。

自分を守るために大勢のエアの末裔の人たちが犠牲になってくれたと。

その事にオフィーリアは深く後悔して涙を流していた。

「星の涙を使ってクラウンとか言う奴をこの世界のトトだと認めさせれば、星の涙はこの世から消滅し同時に彼女も後悔の席からようやく立つ事が出来る。だからブラッド、お前ではオフィーリアを救う事が出来ないんだ」