オフィーリアの母親が【大切な娘を守りたい】と願い、そしてオフィーリアの【愛した人を守りたい】と言う願いはきっと、この守護石にはちゃんと受け継がれている。
「だから、ブラッド。その守護石は手放さないで下さい。それはオフィーリアがあなたを守りたいと思って、置いていった物なのですから」
「……ああ」
俺は軽く目を細めて頷いた。
レーツェルの言う通り確かにこれは、オフィーリアが俺を守りたいと思って残していってくれた物だ。
だが……これは俺みたいな奴の側にあって良い物じゃない。
これはオフィーリアの元にあるべき物だ。
俺だって……【愛した人を守りたい】んだから。
「レーツェル――」
するとじっと黙って話を聞いていたアルは、彼女の腕を掴むとそのままレーツェルの体を力強く抱きしめた。
突然の出来事に俺は目を瞬かせるが、アルはそんな俺を余所に口を開いた。
「レーツェル……すまなかった」
「アムール様?」
「俺は……約束を破ってしまった。【必ず戻る】と、そう誓ったのに」
アルは悔しそうに歯を噛みしめると体を震わせていた。
そんなアルに対してレーツェルは頭を左右に小さく振った。
「謝らないで下さい。アムール様」
「……レーツェル」
「この目でアムール様の死を目にしたあの時、とても悲しくて……辛くて、息をしている自分が許せなかった。だから私は自ら命を絶って、あなたの後を追おうとすら考えてしまった時もありました。今思えば馬鹿な考えです。アムール様との約束は破られたわけではなかったと言うのに」
「えっ……」
レーツェルはアルの手を握ると目尻に涙を浮かべながら優しく笑った。
「アムール様。あなたは今こうして私の目の前に居てくれています。あの時誓ってくれた通り、私のところへ戻って来てくれました」
「だから、ブラッド。その守護石は手放さないで下さい。それはオフィーリアがあなたを守りたいと思って、置いていった物なのですから」
「……ああ」
俺は軽く目を細めて頷いた。
レーツェルの言う通り確かにこれは、オフィーリアが俺を守りたいと思って残していってくれた物だ。
だが……これは俺みたいな奴の側にあって良い物じゃない。
これはオフィーリアの元にあるべき物だ。
俺だって……【愛した人を守りたい】んだから。
「レーツェル――」
するとじっと黙って話を聞いていたアルは、彼女の腕を掴むとそのままレーツェルの体を力強く抱きしめた。
突然の出来事に俺は目を瞬かせるが、アルはそんな俺を余所に口を開いた。
「レーツェル……すまなかった」
「アムール様?」
「俺は……約束を破ってしまった。【必ず戻る】と、そう誓ったのに」
アルは悔しそうに歯を噛みしめると体を震わせていた。
そんなアルに対してレーツェルは頭を左右に小さく振った。
「謝らないで下さい。アムール様」
「……レーツェル」
「この目でアムール様の死を目にしたあの時、とても悲しくて……辛くて、息をしている自分が許せなかった。だから私は自ら命を絶って、あなたの後を追おうとすら考えてしまった時もありました。今思えば馬鹿な考えです。アムール様との約束は破られたわけではなかったと言うのに」
「えっ……」
レーツェルはアルの手を握ると目尻に涙を浮かべながら優しく笑った。
「アムール様。あなたは今こうして私の目の前に居てくれています。あの時誓ってくれた通り、私のところへ戻って来てくれました」



