✩ ✩ ✩
それから私はエアに言われた通り、生き残った人たちの行き先を迷わないように導きながら、彼女が言っていた【この世界のトト】を探し続けました。
しかし彼女から受け継がれた星の涙は、私の体で受け止められる物ではありませんでした。
あの時、世界の魔法を発動したことによってその役目を終えたはずの星の涙は、いつの間にか私の魔力を少しずつ吸い続けて元の形を取り戻していました。
なぜ、星の涙がまだこの世に存在し続けようとするのか、その事に疑問をもった私はエアの最後の願いを思い出しました。
そして同時にエアの願いは、私では叶えてあげる事が出来ないと言う事も悟りました。
でも私は……満足でした。
エアやトトたち、そしてみんなが望んだ【誰もが幸せになれる世界】を、私はこの目で見る事が出来たのですから。
それから私は新しい世界に来てから一年経たずに亡くなりました。
亡くなる直前に星の涙を次の者へ託して――
✭ ✭ ✭
レーツェルの話を俺は何も言わずじっと聞いていた。
この世界がどうやって出来上がったのか、世界の魔法を発動させるために二人が差し出した対価のこと、そしてエアの【この世界のトトを探して欲しい】と言う最後の願い。
「じゃあ……星の涙が長年受け継がれ続けているのは、エアの【トトを探して欲しい】と言う、最後の願いを叶えようとしているからなのか?」
「はい。オフィーリアの祖先は、私が初めて星の涙を受け継いだ人なんです。だから星の涙はその者の血を辿って、次に願いを叶えてくれそうな人の元へ行くのです」
「血を辿って……か」
だからエアの血を引く一族――エアの末裔ってことなのか。
エアの血を引いている一族ではなく、彼女の願いを叶えようとする一族って言った方が良いのかもしれないな。
俺は首から下げている守護石を軽く握りしめた。
それから私はエアに言われた通り、生き残った人たちの行き先を迷わないように導きながら、彼女が言っていた【この世界のトト】を探し続けました。
しかし彼女から受け継がれた星の涙は、私の体で受け止められる物ではありませんでした。
あの時、世界の魔法を発動したことによってその役目を終えたはずの星の涙は、いつの間にか私の魔力を少しずつ吸い続けて元の形を取り戻していました。
なぜ、星の涙がまだこの世に存在し続けようとするのか、その事に疑問をもった私はエアの最後の願いを思い出しました。
そして同時にエアの願いは、私では叶えてあげる事が出来ないと言う事も悟りました。
でも私は……満足でした。
エアやトトたち、そしてみんなが望んだ【誰もが幸せになれる世界】を、私はこの目で見る事が出来たのですから。
それから私は新しい世界に来てから一年経たずに亡くなりました。
亡くなる直前に星の涙を次の者へ託して――
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レーツェルの話を俺は何も言わずじっと聞いていた。
この世界がどうやって出来上がったのか、世界の魔法を発動させるために二人が差し出した対価のこと、そしてエアの【この世界のトトを探して欲しい】と言う最後の願い。
「じゃあ……星の涙が長年受け継がれ続けているのは、エアの【トトを探して欲しい】と言う、最後の願いを叶えようとしているからなのか?」
「はい。オフィーリアの祖先は、私が初めて星の涙を受け継いだ人なんです。だから星の涙はその者の血を辿って、次に願いを叶えてくれそうな人の元へ行くのです」
「血を辿って……か」
だからエアの血を引く一族――エアの末裔ってことなのか。
エアの血を引いている一族ではなく、彼女の願いを叶えようとする一族って言った方が良いのかもしれないな。
俺は首から下げている守護石を軽く握りしめた。



