それをアムール様やサファイアたちは命を掛けて、七罪の悪魔たち全員を滅ぼした。……はずだったんです。
 
全員滅ぼす事が出来たと思っていた私たちでしたが、微かに生き残った粒子たちが存在していたんです。

それが最終的に元の黒焔の太陽へと戻り、自分たちが経験したことや覚えた知識を全て黒焔の太陽へと捧げた。

そしてその中で黒焔の太陽は星の涙の存在を知り、エア自身ごと膨大な魔力を秘めた星の涙を自分の体の一部にしようとしていました。

「クリエイト! 後はお前の役目だ! エアとレーツェルを連れて行け!」

「っ! 駄目です、トト! 約束したじゃないですか! ずっと一緒に居てくれるって! 一緒に未来へ行ってくれるって!」
 
エアは涙を浮かべながらトトの背中に向かって叫んだ。しかし彼は振り返らなかった。

「……さよならだ。エア」

「――っ!」
 
トトはエターナルと共に黒焔の太陽に向かって行く。

エアはギュッと唇を強く噛みしめるとトトの背中に手を伸ばした。

「……っ! いや……トト!」
 
そんな彼女の体を私は強く抱きしめながらクリエイトに叫ぶ。

「クリエイト! ……お願いします!!」
 
クリエイトは一瞬トトに視線を送った後、目を閉じて星の涙に向かって手をかざした。

「星の涙よ、今これより我の命を全て捧げて祈る。我等を新たな世界へと導きたまえ!」
 
その言葉と共に青白い光が私たちの体を包み込んだ。

そして同時に体が徐々に消え始める。

「トト! トト!!!」
 
エアは涙を流しながら必死に彼の背中に手を伸ばしていた。

本当は今直ぐにでも彼女をトトの元へ行かせてあげたかった。

でも……そうさせるわけにはいかなかったんです。

「クリエイト、レーツェル。もしもあいつが星の涙の魔力を察知して俺たちのところへ来ようとしたら、その時は何も迷わずエアだけを連れて新しい世界へ行ってくれ」
 
世界の魔法を波動させる前日、私とクリエイトはトトに呼び出されてそんな話をされました。