じゃあどう説明しろって言うんだ? 

さっきのことをありのまま話せば良いのか?

でも話したところで信じてもらえるとも思えないしな……。

「お前が剣を持つなんて珍しいよな」

「まあ……そうだな。俺に剣なんて必要ないけど、とりあえず持っていて損はないと思う」
 
あるとないとでは戦い方も変わってくるからな。
 
そろそろ魔法ばかりに頼っているのもどうかと思っていたし、これはこれで丁度いい機会だったかもしれない。

「お前なら簡単に使いこなせるんじゃないのか?」

「……っ」
 
レオンハルトから思ってもみなかった言葉を投げつけられ、俺は目を点にして瞬かせた。
 
え、今こいつ俺を褒めたのか? 

いや〜……珍しい事もあるもんだな。

なんて内心そう言いながら、ここはあえてレオンハルトの言葉に乗っかる事にした俺は、鼻を高くして腰に手を置き胸を張って口を開いた。

「ま・あ・な〜! この俺様だったら、剣の二・三本余裕で使いこなせるっての。当然、魔剣だって使いこなせるさ!」

「さ、ホテルに戻るか」
 
するとレオンハルトは俺の存在を無視して、そのまま先にホテルに向かって歩き出した。

「ちょ、ちょっと待てよ! 無視はないだろ! 無視だけはよ!」

「お前の話に付き合っていたら日が暮れる」

「がはっ!」
 
その言葉が鋭い矢となって体の奥深くへと突き刺さり、俺はそのまま後ろに倒れ込んだ。
 
……じゃあ何か? 

俺の話しは長ったらしいから聞くだけ無駄だと?!

やっぱりこいつに剣の話をしなかったのは正解だったようだな!

「あ、あいつ……!」
 
体に突き刺さっている矢を抜きながら何とか体を起き上がらせて、レオンハルトの背中を睨みつけた。