『まさか……アルバは知らなかったのですか?!』
『あの様子を見る限りそうだろうな。……おかしいとは思っていたんだ、クラウンの話を聞いた時から』
「どういう事だアル?」
『あいつはアルバにエアの末裔復活を条件にして、お前からオフィーリアを引き離した。しかしエアの末裔たち全員を生き返らせるなら、彼らの肉体は必須と言っても言いだろ? しかしあいつはオフィーリアたちの母親の体に、セシルの魂を移植させたと言っていた。その時点でクラウンは、オフィーリアとアルバの母親を生き返らせる気なんてなかった事になるんだ』
確かにアルの言う通りだ。
本気でアルバとエアの末裔全員を生き返らせると約束したのなら、彼らの肉体は全員分保管しておく必要があるはずだ。
でもあいつはエアの末裔たちの肉体と雫を、シエルの体を作り上げるために使ったと言っていた。
やっぱりアルバも最初からクラウンに良いように利用されていたんだ。
「君の母親の体は、膨大な魔力を秘めた星の涙を宿していた。だったらその肉体なら、星の涙以外の膨大な魔力を秘めた雫を体の中に入れたとしても、絶対に持ち堪えると思っていたんだ。だから有り難く、シエルの肉体として利用させてもらったのさ」
「……っ」
その言葉を聞いてアルバは瞳を大きく揺らしながら、セシルの方へと視線を送った。
「……あれが……母さんの……体……。……くっ!!!」
アルバは思い切り目を見張ると、クラウンへと手をかざした。
「お前だけは……お前だけは絶対に許さない!!」
「許さないって………。本当に君は面白いことばかり言うね。今更俺を殺したところで、君がやった行いが消えるわけではないだろう?」
「――っ!」
「全ての責任が俺にあるわけじゃない。そもそも君が最初から、俺の話なんかに耳を傾けなれば良かった事だろう? そして俺の言った言葉を勝手に変な風に解釈し、その手でたった一人の妹の命をこの俺へと捧げた。それは君の願いであった、エアの末裔たち全員を生き返らせてあげるためにね。でもよく考えてみなよ。この世に人を生き返らせる術があるって言うのかね?」
アルバはクラウンへ向けていた手を、力が抜けたように下ろすと、その場に膝をついて体を項垂せた。
「全部……全部俺の……」
「そう、全部君の――」
「それは違う!!」
俺はクラウンのその言葉を遮るように、大きな声でそう言い放った。
アルバは俺の声に伏せていた顔を上げる。
そしてクラウン目を細めてじっと俺を見てくる。
俺はアムールの切っ先をクラウンへと向けて口を開いた。
『あの様子を見る限りそうだろうな。……おかしいとは思っていたんだ、クラウンの話を聞いた時から』
「どういう事だアル?」
『あいつはアルバにエアの末裔復活を条件にして、お前からオフィーリアを引き離した。しかしエアの末裔たち全員を生き返らせるなら、彼らの肉体は必須と言っても言いだろ? しかしあいつはオフィーリアたちの母親の体に、セシルの魂を移植させたと言っていた。その時点でクラウンは、オフィーリアとアルバの母親を生き返らせる気なんてなかった事になるんだ』
確かにアルの言う通りだ。
本気でアルバとエアの末裔全員を生き返らせると約束したのなら、彼らの肉体は全員分保管しておく必要があるはずだ。
でもあいつはエアの末裔たちの肉体と雫を、シエルの体を作り上げるために使ったと言っていた。
やっぱりアルバも最初からクラウンに良いように利用されていたんだ。
「君の母親の体は、膨大な魔力を秘めた星の涙を宿していた。だったらその肉体なら、星の涙以外の膨大な魔力を秘めた雫を体の中に入れたとしても、絶対に持ち堪えると思っていたんだ。だから有り難く、シエルの肉体として利用させてもらったのさ」
「……っ」
その言葉を聞いてアルバは瞳を大きく揺らしながら、セシルの方へと視線を送った。
「……あれが……母さんの……体……。……くっ!!!」
アルバは思い切り目を見張ると、クラウンへと手をかざした。
「お前だけは……お前だけは絶対に許さない!!」
「許さないって………。本当に君は面白いことばかり言うね。今更俺を殺したところで、君がやった行いが消えるわけではないだろう?」
「――っ!」
「全ての責任が俺にあるわけじゃない。そもそも君が最初から、俺の話なんかに耳を傾けなれば良かった事だろう? そして俺の言った言葉を勝手に変な風に解釈し、その手でたった一人の妹の命をこの俺へと捧げた。それは君の願いであった、エアの末裔たち全員を生き返らせてあげるためにね。でもよく考えてみなよ。この世に人を生き返らせる術があるって言うのかね?」
アルバはクラウンへ向けていた手を、力が抜けたように下ろすと、その場に膝をついて体を項垂せた。
「全部……全部俺の……」
「そう、全部君の――」
「それは違う!!」
俺はクラウンのその言葉を遮るように、大きな声でそう言い放った。
アルバは俺の声に伏せていた顔を上げる。
そしてクラウン目を細めてじっと俺を見てくる。
俺はアムールの切っ先をクラウンへと向けて口を開いた。



