「…………」
 
俺は乱れる息を整えながらアルバの様子を伺った。

アルバは左肩から手を放すと再び短剣を構えると、俺に向かって走って来る。
 
その姿を見て俺もアムールを構えた。

そしてアムールの刀身とアルバが構えた短剣の刀身が再び激しくぶつかる。

「お前は本当に信じてんのかよ!? クラウンが本当にエアの末裔たちを生き返らせてくれるって! 矛盾しているって思わないのかよ?! あいつはその手でエアの末裔たちを殺してんだぞ! そんな奴が本当にお前との約束を守ってくれるって言うのかよ!!」

「黙れ!!!」
 
アルバはそう叫ぶとアムールの刀身を避けてから、そのまま左から右にかけて思い切り短剣を振り切った。

「ぐうっ!」
 
アルバの振り切った刀身が俺の左頬を思い切り掠めていった。

『ブラッド!』
 
俺は直ぐにアルバから距離を取って、左頬を流れる地を左手の甲で拭った。

「お前の言う通り、俺との約束をあいつが本当に守ってくれるのかは分からない。でも今更ここであいつを裏切れって言うのか? そんなのもう遅いだろ。オフィーリアだって死んだんだよ。だったら俺が後やる事があるとすれば、お前を殺してオフィーリアのところに送ってやることぐらいだろ!」
 
アルバは俺との距離を縮めると短剣を勢い良く振り下ろす。

俺は直ぐにアムールを構えて向かい撃つ。

「何でそうなるんだよ! もし本当にエアの末裔たちが生き返ったとして、その後お前はどうするんだよ! それで満足だって言うのかよ?!」

「ああ! 満足さ! だって俺はその為だけに生きてきたんだからなぁ!」
 
アルバは軽い身のこなしで俺の剣撃を避けると、俺に剣撃を食らわせていく。

「ぐうっ!」