ヴェルト・マギーア 星の涙 ACT.2

「だから僕はオフィーリアを開放してあげたかった! 魔剣を全て集めると言う任から、星の涙から、全ての事から開放してあげて、幸せになってほしかった!」

「っ! その幸せって言うのが死ぬ事だって言うのかよ?!」

「そうだよ! 死こそが全ての事から開放される手段だ! 死ねば全ての事から開放される! そう! 本当の意味での幸せがようやく手に入れられるんだ!」
 
その言葉を聞いて俺は目を見張ったと同時に、左拳に力を込めてから、思い切りアルバの事を殴り飛ばした。

「そんなわけねぇだろ!!!」
 
俺の拳はアルバの頬へと直撃した。そしてアルバの体は後ろへと飛んでいった。

「かはっ!」
 
背中を思い切り打ち付けたアルバは、左肩を抑えながらヨロヨロと立ち上がった。

「……ふざけたこと言ってんじゃねぇよ!! 死ぬことで全ての事から開放されるだって?! じゃあオフィーリアの気持ちがそれで報われるって言うのかよ!!」

「っ!」
 
アルバは軽く目を見張った。そして俺の姿をじっと見つめてくる。

「お前はオフィーリアの兄貴だろ!! 大切な家族だろ! 兄貴だったら、家族だったら大切な妹の気持ちぐらい守ってやれよ!! オフィーリアが死ぬ事を望んでいたのか? オフィーリアが開放されて自由になりたいって言ったのかよ?! いいや、オフィーリアはそんなこと望んだり一言も言っていないはずだ!!」
 
俺はオフィーリアと共に過ごした日々の事を思い出した。

そしてオフィーリアの笑顔を浮かべた姿が脳裏を過ぎった時、俺の頬を一滴の涙が伝った。

「あいつは辛い運命を背負いながらも、必死に抗っていた! 誰よりも強く生きたいと願いっていた! そしてレーツェルを含める守護者たち全員が早く集まる事を、オフィーリアは誰よりも強く願っていた!」

「……オフィーリア」

「お前がやった事はオフィーリアを事を思ってしたことなのかもしれないけど、お前がやった事はただの自己満足であって、決してオフィーリアの幸せを願った物じゃない! ただ自分が苦しみから開放されるために、オフィーリアを利用しただけじゃないかよ!!」