ヴェルト・マギーア 星の涙 ACT.2

「約束します。僕は必ず来世であなたを見つけ出します。その時は僕のお嫁さんになってくれませんか?」

「アルファ……。でも来世って……ことは……記憶が……ないんだよ?」

「記憶がなくたって構いませんよ。だって記憶がなくても、僕は君を見つけ出せる自信がありますから」

「……アルファ」
 
僕の言葉にセシルはとても嬉しそうに微笑んだ。

その時残った二枚の羽根の内一枚が黒く染まりきると、黒い砂と化して消えていく。

「アルファ……私も……あなたを探して見せるよ」

「うん、でも君の事を見つけるのが僕が先ですよ。先に僕が君を見つけて、今度は僕の方から、君にプロポーズするから」

「……ううん。きっと……今度もまた、私が先にアルファを見つけて、また私が……こう言うの。……あなたの……お嫁さんになりたいって」
 
その言葉に僕は笑って見せた。

そして最後の残った一枚の羽根が黒く染まっていく。
 
もうそろそろ自分の命が消えると悟ったのか、セシルは最後にブラッドさんへ視線を移動させた。

「……お兄様」

「っ!」
 
お兄様と呼ばれたブラッドは、涙を流しながらセシルへと視線を移動させた。

そして彼に伸ばされた手を優しく掴んだ。

「おに、さま……レオンハルト……兄様と、ミ……リィちゃ……んに、伝えて……ほしいんです」

「……ああ、何でも言ってみな? 必ず伝えてやるから」

「……では、お二人に……【大好きです】と……伝えてください」

「っ! ……ああ、分かった。必ず伝えてやる」
 
大きく頷いて見せたブラッドさんに安堵したセシルは最後に言う。

「お兄様……アルファ……大好きです」
 
その言葉を最後に、最後に残っていた一枚の羽根が黒く染まりきると、それもまた黒い砂と化して消えてしまった。

同時に彼女の体からも力が抜け、セシルは一滴の涙を流すとゆっくりと目を閉じて、安らかに息を引き取った。