ヴェルト・マギーア 星の涙 ACT.2

あの雫が全部毟り取られてしまえばセシルが……死ぬ!!

「……めろ! ……やめろ!!!」
 
僕は何とか立ち上がって、セシルの元へ走り出そうとした。

しかしその拍子に左胸に激痛が走り左足首にヒビ割れが走った。

「あぐっ!!」
 
そして僕の体は再び前に倒れ込んだ。

「くっ……くっそ!!」
 
彼女の生命の翼はどんどん毟り取られていき、その数は残り数十までになってしまった。

その光景を見た時、心臓の心拍数がどんどん上がっていった。

「さあ、これが最後のチャンスだ。俺をトトとして認めろ!!」
 
セシルはボロボロと涙を流しながら、ゆっくりと頭を左右に振った。

その姿にクラウン様は顔を伏せると、彼女の髪から手を放した。

「……そうか」
 
そう言って彼女にかざしてた手に拳を作ると、一気に彼女の生命の雫を毟り取った。

「きゃああああ!!」

「セシル!!!!」
 
残る生命の雫は三つだけ。

あれが全部毟り取られてしまえばセシルが!!!

「君の事は本当の娘のように思っていたんだけど残念だよ」
 
その言葉を聞いてセシルは大粒の涙を流した。

「クラウン……おじ……さん」

「……っ!」
 
その言葉を聞いて左目を抑えたクラウン様は、最後に右手を頭上にかざした。

「さよならだ、シエル」
 
そう呟くと振り上げた右手を振り下ろそうとした。

「やめろぉぉぉぉぉ!! セシル!!!!!」
 
頬が涙を伝って彼女に手を伸ばした時、赤紫色の炎の柱がクラウン様とセシルの間に割って入った。

「――っ!」
 
そして剣を構えた人物ががセシルの前に降り立つと魔法を発動させる。

愛の絆(アモールプロメッサ)!!」

「っ!」
 
彼の存在に気がついたクラウン様は、とっさに黒い守りを張ると後ろへと大きく飛んだ。
 
その光景に誰もが目を見張って驚いていた。

「おい……」
 
その人物は鋭く左目を細めると、切っ先をクラウン様へと向けて言う。

「どういうことか……説明してもらおうか。クラウン!!」

彼、ブラッドは殺気を放ちながらクラウン様の前に降り立ったのだった。