黒い手がセシルへと伸びて行く中、そんな彼女を守ろうとアルファが彼女の前に立ちはだかった。
「あ、アルファ!!」
「君だけは……絶対に死なせない!!」
さっきわたくしが体力を回復させてあげたおかげで、どうやら彼は体を少し動かせる程度には回復したみたいですわね。
しかしわたくしがあなたの体力を回復させてあげたのは、その身を犠牲にしろって事じゃないんですのよ!
わたくしはマールへと魔力を注ぎながら詠唱を始める。
「水の精霊よ、海の精霊よ、深海の精霊よ、光の精霊よ、神の聖霊よ、汝たちの力を集わせ、我に大いなる力を貸し与え給え」
マールに魔力が溜まりきり、わたくしは刀身の先を下へと向けさせ先をコツンと地面に当たらせる。そして自分の足元に水の波紋を広がらせた。
広がっていく波紋から精霊たちが姿を現すと、それは大きな人魚の姿をした影を作り出した。
広がっていく波紋の中でその影は大きく動くと、わたくしの背後へと姿を現す。
ギラリと金色の瞳が輝き、目の前に三叉槍を作り出すとそれを大きな手で掴んだ。
「大いなる海の海王ポセイドンよ、その力を持って大いなる神の一撃を与えよ!」
自分の体にマールの魔力を纏ったわたくしは、刀身を頭上へとかざして思い切り振り下ろした。
「海王の怒り!!」
海王ポセイドンはわたくしの言葉と共に三叉槍を前へと突き出した。
すると大きな揺れが引き起こされると、わたくしはたちの周りを大きな津波が渦を巻き、それは大きな海竜へと姿を変えると黒焔の目へと突っ込んでいった。
「――っ!」
黒焔の目へと放たれた魔法に気がついたクラウンは、軽く舌打ちをするとその場から姿を消す。
そしてわたくしが放った海王の怒りはそのまま、勢い良く黒焔の目へと直撃した。
『当たった!』
黒焔の目に海王の怒りが直撃した時、セシルへと伸ばされた黒い手は力をなくしたように、ぐったりとその場に落ちていく。
その光景にセシルとアルファ、そしてガンマは驚いて目を見張っていた。
「……これが、魚人族セイレーンの本来の力……なのか」
わたくしは身にまっていたマールの魔力を解き、警戒しながら黒焔の目へと距離を縮めて行く。
『いくら黒焔の目でも、セイレーンの海王の怒りをまともに受けたんじゃしばらく動けないと思うけど』
「しかし用心にこした事はありませんわよ」
わたくしは姿を消したクラウンの気配を探りながら、黒焔の目の前に立った。
黒焔の目はさっきとは違い、白目を向いたままぐったりとしていた。
やっぱり黒焔の目でも、神の力を直接受けたしまった事には相当きたようですわね。
このまましばらく眠ってくれれば良いのですが……。
『セイレーン。こんな奴から一刻も早く離れて、セシルちゃんやアルファたちを連れてここから出よ』
「あ、アルファ!!」
「君だけは……絶対に死なせない!!」
さっきわたくしが体力を回復させてあげたおかげで、どうやら彼は体を少し動かせる程度には回復したみたいですわね。
しかしわたくしがあなたの体力を回復させてあげたのは、その身を犠牲にしろって事じゃないんですのよ!
わたくしはマールへと魔力を注ぎながら詠唱を始める。
「水の精霊よ、海の精霊よ、深海の精霊よ、光の精霊よ、神の聖霊よ、汝たちの力を集わせ、我に大いなる力を貸し与え給え」
マールに魔力が溜まりきり、わたくしは刀身の先を下へと向けさせ先をコツンと地面に当たらせる。そして自分の足元に水の波紋を広がらせた。
広がっていく波紋から精霊たちが姿を現すと、それは大きな人魚の姿をした影を作り出した。
広がっていく波紋の中でその影は大きく動くと、わたくしの背後へと姿を現す。
ギラリと金色の瞳が輝き、目の前に三叉槍を作り出すとそれを大きな手で掴んだ。
「大いなる海の海王ポセイドンよ、その力を持って大いなる神の一撃を与えよ!」
自分の体にマールの魔力を纏ったわたくしは、刀身を頭上へとかざして思い切り振り下ろした。
「海王の怒り!!」
海王ポセイドンはわたくしの言葉と共に三叉槍を前へと突き出した。
すると大きな揺れが引き起こされると、わたくしはたちの周りを大きな津波が渦を巻き、それは大きな海竜へと姿を変えると黒焔の目へと突っ込んでいった。
「――っ!」
黒焔の目へと放たれた魔法に気がついたクラウンは、軽く舌打ちをするとその場から姿を消す。
そしてわたくしが放った海王の怒りはそのまま、勢い良く黒焔の目へと直撃した。
『当たった!』
黒焔の目に海王の怒りが直撃した時、セシルへと伸ばされた黒い手は力をなくしたように、ぐったりとその場に落ちていく。
その光景にセシルとアルファ、そしてガンマは驚いて目を見張っていた。
「……これが、魚人族セイレーンの本来の力……なのか」
わたくしは身にまっていたマールの魔力を解き、警戒しながら黒焔の目へと距離を縮めて行く。
『いくら黒焔の目でも、セイレーンの海王の怒りをまともに受けたんじゃしばらく動けないと思うけど』
「しかし用心にこした事はありませんわよ」
わたくしは姿を消したクラウンの気配を探りながら、黒焔の目の前に立った。
黒焔の目はさっきとは違い、白目を向いたままぐったりとしていた。
やっぱり黒焔の目でも、神の力を直接受けたしまった事には相当きたようですわね。
このまましばらく眠ってくれれば良いのですが……。
『セイレーン。こんな奴から一刻も早く離れて、セシルちゃんやアルファたちを連れてここから出よ』



