「………そうかぃ」
私の話を聞いたガンマは、どこか嬉しそうに笑うと再び前を向いた。
しかし直ぐに真剣な表情を浮かべると、目を細めて地面に突伏しているクラウンの様子を伺っている。
そんなガンマにアルファは声を掛ける。
「が、ガンマ……。クラウン様の事なんだけど」
「んぁ?」
「もしかしたら……クラウン様はまだ――」
アルファが言葉を紡ぎかけた時、私たちの体に鳥肌が立った。
「――っ!」
そして私たちは一斉にクラウンへと目を向けた。
地面に突伏していたクラウンは、自分の体に巻き付いた黒影の鎖を黒い炎で燃やすと、そのままゆっくりと立ち上がった。
「ちぃっ! おい、アルファ! 早く嬢ちゃんを連れて逃げろ!!」
「あっ……ああ! 分かった! 行こうセシル!」
アルファに手を引かれてこの場から逃げようとしたと同時に、ガンマはクラウンへと向かって行く。
「クラウン様! これで終いだぁぁぁぁ!!」
ガンマはそう叫びながら構えた剣を思い切り振り下ろした。しかしその時だった。
「――えっ」
アルファに手を引かれながら走り続けていた時、ふわっと真っ白な翼の羽が舞い上がった。
そして同時に私の体に激痛が走った。
「っ!! ああああっ!!」
「っ?! セシル!?!」
私の叫び声を聞いたアルファはこちらを振り返ると、真っ青な顔を浮かべた。
真っ白な翼の羽が私たちの回りを舞ったと同時に、中には真っ赤な血の雫たちも飛び散っていた。
「せっ………セシル!!!!」
体が前へと倒れ込んでいく中で、宙を舞った白い羽たちは地面へゆらりと落ちた。
そしてそれは地面へと落ちた瞬間、真っ黒に染まり上がると砂と化して消えていった。
「な、何で……一体何がぁ?!!」
アルファと私の様子に気がついたガンマも驚いて目を見張っている。
そして直ぐにクラウンへと問いかける。
「クラウン様……あの嬢ちゃんに何をしやがったぁぁぁ!!!」
「……っ」
ずっと黙り込んだまま顔を伏せていたクラウンは、ゆっくりと顔を上げるとその瞳にそれぞれ私たちの姿を映した。
そして私たちは、そんなクラウンの顔を見て更に体に恐怖を走らせた。
「何って……ちょっとしたお仕置きだよ」
灰色だった瞳は血色のように真っ赤に染まり、右目にしか存在していなかった魔法陣は、クラウンの右顔全体に広がっていて、不気味に黒紫色の炎を放っていた。
クラウンの背後でゆらゆらと揺らめいている黒い手たちは、その数を何十倍にも増やすと、クラウンの命令を待っているかのように彼の側で待機している。
「お前さん…………誰だ?」
ガンマのその一言にニヤリと笑ったクラウンはただ一言。
「俺は……黒い者さ」
そう一言応えた。
私の話を聞いたガンマは、どこか嬉しそうに笑うと再び前を向いた。
しかし直ぐに真剣な表情を浮かべると、目を細めて地面に突伏しているクラウンの様子を伺っている。
そんなガンマにアルファは声を掛ける。
「が、ガンマ……。クラウン様の事なんだけど」
「んぁ?」
「もしかしたら……クラウン様はまだ――」
アルファが言葉を紡ぎかけた時、私たちの体に鳥肌が立った。
「――っ!」
そして私たちは一斉にクラウンへと目を向けた。
地面に突伏していたクラウンは、自分の体に巻き付いた黒影の鎖を黒い炎で燃やすと、そのままゆっくりと立ち上がった。
「ちぃっ! おい、アルファ! 早く嬢ちゃんを連れて逃げろ!!」
「あっ……ああ! 分かった! 行こうセシル!」
アルファに手を引かれてこの場から逃げようとしたと同時に、ガンマはクラウンへと向かって行く。
「クラウン様! これで終いだぁぁぁぁ!!」
ガンマはそう叫びながら構えた剣を思い切り振り下ろした。しかしその時だった。
「――えっ」
アルファに手を引かれながら走り続けていた時、ふわっと真っ白な翼の羽が舞い上がった。
そして同時に私の体に激痛が走った。
「っ!! ああああっ!!」
「っ?! セシル!?!」
私の叫び声を聞いたアルファはこちらを振り返ると、真っ青な顔を浮かべた。
真っ白な翼の羽が私たちの回りを舞ったと同時に、中には真っ赤な血の雫たちも飛び散っていた。
「せっ………セシル!!!!」
体が前へと倒れ込んでいく中で、宙を舞った白い羽たちは地面へゆらりと落ちた。
そしてそれは地面へと落ちた瞬間、真っ黒に染まり上がると砂と化して消えていった。
「な、何で……一体何がぁ?!!」
アルファと私の様子に気がついたガンマも驚いて目を見張っている。
そして直ぐにクラウンへと問いかける。
「クラウン様……あの嬢ちゃんに何をしやがったぁぁぁ!!!」
「……っ」
ずっと黙り込んだまま顔を伏せていたクラウンは、ゆっくりと顔を上げるとその瞳にそれぞれ私たちの姿を映した。
そして私たちは、そんなクラウンの顔を見て更に体に恐怖を走らせた。
「何って……ちょっとしたお仕置きだよ」
灰色だった瞳は血色のように真っ赤に染まり、右目にしか存在していなかった魔法陣は、クラウンの右顔全体に広がっていて、不気味に黒紫色の炎を放っていた。
クラウンの背後でゆらゆらと揺らめいている黒い手たちは、その数を何十倍にも増やすと、クラウンの命令を待っているかのように彼の側で待機している。
「お前さん…………誰だ?」
ガンマのその一言にニヤリと笑ったクラウンはただ一言。
「俺は……黒い者さ」
そう一言応えた。