体が自由になった私は直ぐに翼を使ってアルファの元へと戻った。
「アルファ!!」
「良かった……せっ!」
その時アルファは苦しそうな表情を浮かべると、胸元辺りの服を力強く掴んだ。
「あ、アルファ?! どうしたの?!」
「はあ……はあ…………はあ」
アルファはとても苦しそうに息を吸ったり吐いたりを繰り返している。
「……はあ……気に、するな……」
そう言ってアルファは私の手を力強く握りしめた。
「今のうちに……行くんだ。セシル!」
「や、やだっ! だったらアルファも一緒に!」
「僕は……無理だ」
「そんな……」
アルファは私から手を放すと、大きく深呼吸してからクラウンへと目を戻した。
「僕がここに残らなかったら、誰があの人を足止めするって言うんですか? こんな時まで我儘言わないで、僕の言う通りにしてくださいよ」
「わ、我儘って……!」
確かにアルファからしたら一緒に逃げようって私の言葉は我儘なのかもしれない。
アルファが私のためを思って、そう言ってくれているって事は分かっているつもりだ。
でも……!
「そんなこと……言わないでよ!」
「……セシル?」
私は目尻に大粒の涙を浮かべると、そのままアルファの顔を両手で包み込んで強引に口づけをした。
「んんっ?!」
突然の出来事にアルファは頬を赤く染め上がらせる。
しかし私はそんなアルファにお構いなしに唇を離してから口を開く。
「アルファは全然私の気持ちを分かってない! アルファが私の事を好きだって言ってくれたように、私だってアルファの事がずっとずっと大好きだったんだから! だから……死んでほしくないんだよ! 大好きな人には……生きてて欲しいんだよ! この気持が我儘だって言うなら、私だってアルファの我儘聞いてあげないんだから!!」
「……っ」
アルファは頬を赤くしたままポカンと私を見てくる。
「セシル……まさか記憶が戻ったのか?」
「……うん」
彼の言葉に小さく頷いた時、アルファは私に腕を伸ばすとそのまま力強く抱きしめた。
気がついた時にはもうアルファの腕の中に居た私は、そのまま頬を赤く染めた。
「……ごめん、セシル。君の我儘……ちゃんと分かったから」
「……分かってくれなかったら、アルファのお嫁さんになんて……なってあげないからね」
私も彼の背中に腕を回してギュッと抱きしめ返す。
「おいおい……こんなところで抱き合ってる暇があったら、とっとと逃げやがれってんだよぉ」
その言葉を聞いた私たちは慌てて離れる。
しかし直ぐに声の主が誰なのか分かると、アルファは私の手を掴んで立ち上がった。
「アルファ!!」
「良かった……せっ!」
その時アルファは苦しそうな表情を浮かべると、胸元辺りの服を力強く掴んだ。
「あ、アルファ?! どうしたの?!」
「はあ……はあ…………はあ」
アルファはとても苦しそうに息を吸ったり吐いたりを繰り返している。
「……はあ……気に、するな……」
そう言ってアルファは私の手を力強く握りしめた。
「今のうちに……行くんだ。セシル!」
「や、やだっ! だったらアルファも一緒に!」
「僕は……無理だ」
「そんな……」
アルファは私から手を放すと、大きく深呼吸してからクラウンへと目を戻した。
「僕がここに残らなかったら、誰があの人を足止めするって言うんですか? こんな時まで我儘言わないで、僕の言う通りにしてくださいよ」
「わ、我儘って……!」
確かにアルファからしたら一緒に逃げようって私の言葉は我儘なのかもしれない。
アルファが私のためを思って、そう言ってくれているって事は分かっているつもりだ。
でも……!
「そんなこと……言わないでよ!」
「……セシル?」
私は目尻に大粒の涙を浮かべると、そのままアルファの顔を両手で包み込んで強引に口づけをした。
「んんっ?!」
突然の出来事にアルファは頬を赤く染め上がらせる。
しかし私はそんなアルファにお構いなしに唇を離してから口を開く。
「アルファは全然私の気持ちを分かってない! アルファが私の事を好きだって言ってくれたように、私だってアルファの事がずっとずっと大好きだったんだから! だから……死んでほしくないんだよ! 大好きな人には……生きてて欲しいんだよ! この気持が我儘だって言うなら、私だってアルファの我儘聞いてあげないんだから!!」
「……っ」
アルファは頬を赤くしたままポカンと私を見てくる。
「セシル……まさか記憶が戻ったのか?」
「……うん」
彼の言葉に小さく頷いた時、アルファは私に腕を伸ばすとそのまま力強く抱きしめた。
気がついた時にはもうアルファの腕の中に居た私は、そのまま頬を赤く染めた。
「……ごめん、セシル。君の我儘……ちゃんと分かったから」
「……分かってくれなかったら、アルファのお嫁さんになんて……なってあげないからね」
私も彼の背中に腕を回してギュッと抱きしめ返す。
「おいおい……こんなところで抱き合ってる暇があったら、とっとと逃げやがれってんだよぉ」
その言葉を聞いた私たちは慌てて離れる。
しかし直ぐに声の主が誰なのか分かると、アルファは私の手を掴んで立ち上がった。



