「ブラッド。何か感じたのか?」
その言葉に大きく頷いた俺は言う。
「ここからそう遠くない場所で、クラウンの魔力を感じた! だからあいつがまた行方をくらませる前に行こうと思う!」
そう言って俺は三人を置いて先に走り出した。
「レーツェル。サファイア。俺たちも行くぞ」
「はい!」
「ああ」
三人もまたそれぞれ魔剣の姿に戻ると、俺の後を追いかけて来る。
『ブラッド。ここからだと何分くらいでその場所に着きそうだ?』
「……多分十五分は掛かると思う。……だけど」
『なんだ?』
俺は大きくうずいている右目を抑えて左目を細めた。
「あいつの魔力が……前よりも禍々しくなっている気がするんだ」
『なんですって?!』
『……どうしてまた?』
サファイアとレーツェルの言葉に俺は頭を左右に振って見せた。
「とりあえず急ごう!」
いったい何だ?
この魔力の感じは……!
前にあいつから感じた魔力以上に、もっと深い闇の魔力を感じる。
まるで聖母の愛大聖堂で、オフィーリアを飲み込もうとしたあの闇の存在その物のような……。
いや、もしかしたらあの存在よりも、もっとやばい物がこの先に居るのかもしれない。
「嫌な予感がするな……」
俺は走るスピートを上げて、魔力を感じ取った場所に向かって森の中を駆けていった。
✭ ✭ ✭
『セイレーン。見つけたよ』
マールの声にわたくしは歩く足を止めて、少し離れた場所から研究施設の様子を伺っていた。
そしてウリエルから受け取った小瓶を見つめ下ろす。
これを使ってクラウンの娘であるシエルを抹殺する事が、今回わたくしの役目ですが、あの人はなぜシエルと言う女性を殺せと命令されたのか。
わたくしを使って彼女を殺す事よりも、あのお二人の方が確実に彼女の事を抹殺する事が出来ると思いますけどね。
「どうせ……また何処かで傍観していらっしゃるんでしょうけど」
わたくしは手の中にあった小瓶をそのまま転がりこぼし、地面目掛けて落下させる。
そして小瓶はそのまま地面にぶつかると、その場で粉々になって砕け散ってしまった。
その拍子に小瓶の中で揺らめいていた赤い液体もまた、地面の上で広がるとそのまま肉を腐らせたかのように、酷い悪臭を放ちながら地面を溶かし始めた。
『う〜へぇ〜。こんなの飲まされたら一瞬で溶けて腐っちゃうよね』
「そうですわね。だからこそあの方々は、あのシエルと言う者を殺したいのでしょうね」
『腐らせたいほどに?』
彼女の言葉にわたくしは小さく頷いた。
その言葉に大きく頷いた俺は言う。
「ここからそう遠くない場所で、クラウンの魔力を感じた! だからあいつがまた行方をくらませる前に行こうと思う!」
そう言って俺は三人を置いて先に走り出した。
「レーツェル。サファイア。俺たちも行くぞ」
「はい!」
「ああ」
三人もまたそれぞれ魔剣の姿に戻ると、俺の後を追いかけて来る。
『ブラッド。ここからだと何分くらいでその場所に着きそうだ?』
「……多分十五分は掛かると思う。……だけど」
『なんだ?』
俺は大きくうずいている右目を抑えて左目を細めた。
「あいつの魔力が……前よりも禍々しくなっている気がするんだ」
『なんですって?!』
『……どうしてまた?』
サファイアとレーツェルの言葉に俺は頭を左右に振って見せた。
「とりあえず急ごう!」
いったい何だ?
この魔力の感じは……!
前にあいつから感じた魔力以上に、もっと深い闇の魔力を感じる。
まるで聖母の愛大聖堂で、オフィーリアを飲み込もうとしたあの闇の存在その物のような……。
いや、もしかしたらあの存在よりも、もっとやばい物がこの先に居るのかもしれない。
「嫌な予感がするな……」
俺は走るスピートを上げて、魔力を感じ取った場所に向かって森の中を駆けていった。
✭ ✭ ✭
『セイレーン。見つけたよ』
マールの声にわたくしは歩く足を止めて、少し離れた場所から研究施設の様子を伺っていた。
そしてウリエルから受け取った小瓶を見つめ下ろす。
これを使ってクラウンの娘であるシエルを抹殺する事が、今回わたくしの役目ですが、あの人はなぜシエルと言う女性を殺せと命令されたのか。
わたくしを使って彼女を殺す事よりも、あのお二人の方が確実に彼女の事を抹殺する事が出来ると思いますけどね。
「どうせ……また何処かで傍観していらっしゃるんでしょうけど」
わたくしは手の中にあった小瓶をそのまま転がりこぼし、地面目掛けて落下させる。
そして小瓶はそのまま地面にぶつかると、その場で粉々になって砕け散ってしまった。
その拍子に小瓶の中で揺らめいていた赤い液体もまた、地面の上で広がるとそのまま肉を腐らせたかのように、酷い悪臭を放ちながら地面を溶かし始めた。
『う〜へぇ〜。こんなの飲まされたら一瞬で溶けて腐っちゃうよね』
「そうですわね。だからこそあの方々は、あのシエルと言う者を殺したいのでしょうね」
『腐らせたいほどに?』
彼女の言葉にわたくしは小さく頷いた。



