「ところでアルとレーツェルはどこに居るか知ってるか?」

「あの二人は今お取り込み中だ。この言葉の意味はお前も分かるだろ?」
 
私の言葉にブラッドは目を瞬かせると【ようやくか】と呟いた。

やっぱりブラッドもアルとレーツェルの気持ちには気づいていたようだな。
 
まあ……結構二人とも分かりやすいよな……。

特にアルの方がな。

「サファイアはそう言った相手は居ないのか?」

「……はあ?!」
 
ブラッドの言葉に私は顔を真っ赤にさせた時、脳裏にコスモの姿が浮かんだ。

しかし私は直ぐに頭を振ってコスモを払い除けた。

「わ、私はそう言ったことに興味がないんだ。だからこれと言った相手なんていない」

「……へ〜、そうなのか。サファイアは美人だから、好きな人の一人くらい居ると思ったけどな」
 
何て言っているブラッドだが、こいつの顔を見る限り薄々何か気づいているんじゃないのかと思ってしまう。

「ま、その事に関しては俺からはとやかく言えないからな」 
 
ブラッドはそう言うと背を向けてもと来た道を戻って行ってしまった。

ブラッドの姿が完全に見えなくなってから、私は軽く息を吐きもう一度星空を見上げた。

「まったく……」
 
その拍子に流れ星が流れ、私は優しい表情を浮かべて流れ星を見送った。