✭ ✭ ✭
「ようやく言えたのか、あの馬鹿野郎は」
一体どれだけ悩んで遠回りして来たのやら……でも。
「良かったな……レーツェル」
あの馬鹿は死んでも変わらないと思っていたが、ちゃんと変わっていたんだな。
敵を目にしたら何も考えずに突っ込んで行っていた猪突猛進のところも直ったみたいだし、周りにも気を配れるようになっている。
私と目が合う度に喧嘩を吹っかけてきていた頃のあいつは、もうアルの中には居ないのかもしれないな。
そう思った私は軽く笑って星空を見上げた。
そしてあいつが私に言った言葉を思い出す。
「俺はサファイアの事が好きっす! サファイアは化け物なんかじゃなくて、誰よりも美人で可愛くて俺の好きな子っす!」
なぜかその言葉を思い出した私は、思わず苦笑してしまった。
「化け物じゃなくて……好きな子、か」
そんなこと言われたのは生まれて初めてだった。
私は生まれた時からこの氷結の力を持っていた。
そのせいで周りからも【化け物】と呼ばれ、散々嫌な目で見られてきた。
だから一人で居る事を望んでいた私は、エアの旅路に同行しても殆ど一人で居る事が多かった。
そんなとき新しく仲間になった【コスモス】は、私に散々まとわり付いて来た嫌な男だった。
どうして私にまとわり付いてきたのか、理由は至ってシンプルだ。
「そんなの一目惚れに決まっているからっすよ!」
って、あいつは半分やけくそになりながら私に向かって、真正面からそう言い放ったんだ。
正直、その言葉に私は顔を真っ赤にするどころか、どん引きして頬を引きつらせた。
こんな私の事を一目惚れだって?
……この男、一回病院で見てもらった方が良いんじゃないのか? と、当初の私はそう思っていた。
あの頃の私は、こんな化け物の事を好きになる奴なんて居ないだろうと勝手に決めつけていた。
だからコスモスの気持ちは嘘だと思っていたし、直ぐに飽きるだろうとも思っていた。
しかしあいつは飽きるどころか、毎日私に【好きっす! 愛してるっす!】と言ってきた。
さすがの私でもあれはトラウマになりかけたって言うか、コスモスの顔を見るだけで体が拒絶反応を起こしかけていた。
「ようやく言えたのか、あの馬鹿野郎は」
一体どれだけ悩んで遠回りして来たのやら……でも。
「良かったな……レーツェル」
あの馬鹿は死んでも変わらないと思っていたが、ちゃんと変わっていたんだな。
敵を目にしたら何も考えずに突っ込んで行っていた猪突猛進のところも直ったみたいだし、周りにも気を配れるようになっている。
私と目が合う度に喧嘩を吹っかけてきていた頃のあいつは、もうアルの中には居ないのかもしれないな。
そう思った私は軽く笑って星空を見上げた。
そしてあいつが私に言った言葉を思い出す。
「俺はサファイアの事が好きっす! サファイアは化け物なんかじゃなくて、誰よりも美人で可愛くて俺の好きな子っす!」
なぜかその言葉を思い出した私は、思わず苦笑してしまった。
「化け物じゃなくて……好きな子、か」
そんなこと言われたのは生まれて初めてだった。
私は生まれた時からこの氷結の力を持っていた。
そのせいで周りからも【化け物】と呼ばれ、散々嫌な目で見られてきた。
だから一人で居る事を望んでいた私は、エアの旅路に同行しても殆ど一人で居る事が多かった。
そんなとき新しく仲間になった【コスモス】は、私に散々まとわり付いて来た嫌な男だった。
どうして私にまとわり付いてきたのか、理由は至ってシンプルだ。
「そんなの一目惚れに決まっているからっすよ!」
って、あいつは半分やけくそになりながら私に向かって、真正面からそう言い放ったんだ。
正直、その言葉に私は顔を真っ赤にするどころか、どん引きして頬を引きつらせた。
こんな私の事を一目惚れだって?
……この男、一回病院で見てもらった方が良いんじゃないのか? と、当初の私はそう思っていた。
あの頃の私は、こんな化け物の事を好きになる奴なんて居ないだろうと勝手に決めつけていた。
だからコスモスの気持ちは嘘だと思っていたし、直ぐに飽きるだろうとも思っていた。
しかしあいつは飽きるどころか、毎日私に【好きっす! 愛してるっす!】と言ってきた。
さすがの私でもあれはトラウマになりかけたって言うか、コスモスの顔を見るだけで体が拒絶反応を起こしかけていた。