案の定、彼女は驚いて目を丸くしていた。
そして目尻に涙を浮かべると、それは彼女の頬に伝った。
俺は唇を離して指先で涙を拭ってあげる。
「……どうして泣くんだ?」
そう質問をした時、レーツェルは涙を溢れさせるとギュッと目を瞑った。
「だ……て。アムール様の大切な人は……愛している人は……ヘレナ様です。その事は重々分かっているつもりなのですが……、アムール様にキスをされて……喜んでしまっている自分がいて……それが……嫌で」
レーツェルはボロボロと涙を流していく。
何度も何度も拭っても涙が止まることはなく、俺はレーツェルの頭に手を回し、自分の額とレーツェルの額をくっつき合わせた。
「確かに俺にとってヘレナは大切な存在だ。あいつのおかげで俺は人を愛する事の意味や、自分の名前の意味を知る事が出来たんだから。だから……忘れる事なんて出来るはずがない」
「アムール様……」
「でも今の俺は……レーツェル。お前を愛してる」
「……っ!」
その言葉にレーツェルは目を丸くし、更にボロボロと涙を流し始める。
その姿に俺は苦笑した。
「……アムール様!」
レーツェルは泣きながら俺の胸に顔を埋め、両腕を俺の背中に回した。
それに応えるように、俺も彼女の体を抱きしめる腕に力を込める。
「ごめんな……ずっと言えなくて」
「いいえ……いいえ! 凄く……心から嬉しいです!」
正直、この気持ちにはずっと悩んでいた。
確かに俺にとってヘレナは大切な存在で今でも愛している。
それはずっとこの先も変わらない。
でもレーツェルも今の俺にとっては大切な存在で、愛しい存在なんだ。
だからこの気持には嘘を吐きたくなかった。
もう誤魔化したくなかったんだ。
だって俺は後悔したんだよ。あの戦いで自分の心臓を撃ち抜かれて死を悟った時、レーツェルに自分の気持ちを伝えれば良かったと、何度そう思っただろうか。
だから再び出会えた時はこの気持を伝えようと思っていた。
俺はレーツェルを愛しているんだと伝えたかった。
「レーツェル。お前が好きだ、愛している。もう絶対にお前の側から離れない。ずっと一緒に居るって約束するよ」
「はい……ずっと、ずっと側に居て下さい。アムール様」
俺たちは互いに見つめ合い、そしてもう一度口づけを交わした。
そして目尻に涙を浮かべると、それは彼女の頬に伝った。
俺は唇を離して指先で涙を拭ってあげる。
「……どうして泣くんだ?」
そう質問をした時、レーツェルは涙を溢れさせるとギュッと目を瞑った。
「だ……て。アムール様の大切な人は……愛している人は……ヘレナ様です。その事は重々分かっているつもりなのですが……、アムール様にキスをされて……喜んでしまっている自分がいて……それが……嫌で」
レーツェルはボロボロと涙を流していく。
何度も何度も拭っても涙が止まることはなく、俺はレーツェルの頭に手を回し、自分の額とレーツェルの額をくっつき合わせた。
「確かに俺にとってヘレナは大切な存在だ。あいつのおかげで俺は人を愛する事の意味や、自分の名前の意味を知る事が出来たんだから。だから……忘れる事なんて出来るはずがない」
「アムール様……」
「でも今の俺は……レーツェル。お前を愛してる」
「……っ!」
その言葉にレーツェルは目を丸くし、更にボロボロと涙を流し始める。
その姿に俺は苦笑した。
「……アムール様!」
レーツェルは泣きながら俺の胸に顔を埋め、両腕を俺の背中に回した。
それに応えるように、俺も彼女の体を抱きしめる腕に力を込める。
「ごめんな……ずっと言えなくて」
「いいえ……いいえ! 凄く……心から嬉しいです!」
正直、この気持ちにはずっと悩んでいた。
確かに俺にとってヘレナは大切な存在で今でも愛している。
それはずっとこの先も変わらない。
でもレーツェルも今の俺にとっては大切な存在で、愛しい存在なんだ。
だからこの気持には嘘を吐きたくなかった。
もう誤魔化したくなかったんだ。
だって俺は後悔したんだよ。あの戦いで自分の心臓を撃ち抜かれて死を悟った時、レーツェルに自分の気持ちを伝えれば良かったと、何度そう思っただろうか。
だから再び出会えた時はこの気持を伝えようと思っていた。
俺はレーツェルを愛しているんだと伝えたかった。
「レーツェル。お前が好きだ、愛している。もう絶対にお前の側から離れない。ずっと一緒に居るって約束するよ」
「はい……ずっと、ずっと側に居て下さい。アムール様」
俺たちは互いに見つめ合い、そしてもう一度口づけを交わした。



