この感情が蘇ったら、きっとまたレーツェルに酷い事を言ってしまう気がしたんだ。
もうずっと前に俺はヘレナの事で、レーツェルの事を酷く傷つけた事がある。
最低な事も散々言った。
しかしそれでもレーツェルは、そんな俺を受け止めて救ってくれた。
だからこそレーツェルは傷つけたくないんだ。
レーツェルは俺にとって大切な存在で、二度と傷つけたくない。
「ここに居たのですね、アムール様」
その声に両肩がビクッと上がった。
俺は軽く息を吐いてから、ゆっくりと右尻を振り返る。
そしてそこには優しい笑みを浮かべたレーツェルが立っていた。
その姿に俺は目を細める。
「お隣良いですか?」
「……ああ」
俺は素っ気なく返して、再び水面に目を戻した。
レーツェルは隣に来ると、俺と少し距離を取って座った。
そんな彼女を横目で見ながら問いかける。
「何で俺の居場所が分かったんだ?」
「神のお導きです」
その言葉を聞いてやっぱり同じ事を言うんだと思った。
こんなやり取りをするのも、もう恒例になってるな。
「今日は一段と星が綺麗ですね」
レーツェルはそう言って星空を見上げ、彼女に釣られて俺も星空を見上げた。
確かに今日の星空はより一層輝いているな。
まるで――
「まるで、初めてお会いした時のようですね」
「……っ!」
「確かあの時、私は人目のつかない場所で水浴びをしていたんですよね。そのときばったりアムール様と出会ってしまって。アムール様はあの時凄く」
「そ、その時の話は今しなくても良いだろ!」
ほんと……あの時の出会いは最悪だったよな。
聖国で初めてレーツェルの姿を見た時、柄にもなくその姿をもう一度見たいと思った俺は、【聖教会】の中を誰にも見つからないように移動してた。
そして聖教会が管理していた【聖女の禊場】で、水浴びをして裸に近い姿をしていたレーツェルとバッタリ会ったんだよな……。
彼女からしたら懐かしい思い出かもしれないが、俺としては最初の出会いがあれだったからかなり後悔している。
「アムール様。私は……」
レーツェルはゆっくりと顔を俺に向けると、優しく微笑して言う。
「私はあなたに救われました」
「……えっ」
彼女の言葉にぽかんとした俺は目を瞬かせた。
もうずっと前に俺はヘレナの事で、レーツェルの事を酷く傷つけた事がある。
最低な事も散々言った。
しかしそれでもレーツェルは、そんな俺を受け止めて救ってくれた。
だからこそレーツェルは傷つけたくないんだ。
レーツェルは俺にとって大切な存在で、二度と傷つけたくない。
「ここに居たのですね、アムール様」
その声に両肩がビクッと上がった。
俺は軽く息を吐いてから、ゆっくりと右尻を振り返る。
そしてそこには優しい笑みを浮かべたレーツェルが立っていた。
その姿に俺は目を細める。
「お隣良いですか?」
「……ああ」
俺は素っ気なく返して、再び水面に目を戻した。
レーツェルは隣に来ると、俺と少し距離を取って座った。
そんな彼女を横目で見ながら問いかける。
「何で俺の居場所が分かったんだ?」
「神のお導きです」
その言葉を聞いてやっぱり同じ事を言うんだと思った。
こんなやり取りをするのも、もう恒例になってるな。
「今日は一段と星が綺麗ですね」
レーツェルはそう言って星空を見上げ、彼女に釣られて俺も星空を見上げた。
確かに今日の星空はより一層輝いているな。
まるで――
「まるで、初めてお会いした時のようですね」
「……っ!」
「確かあの時、私は人目のつかない場所で水浴びをしていたんですよね。そのときばったりアムール様と出会ってしまって。アムール様はあの時凄く」
「そ、その時の話は今しなくても良いだろ!」
ほんと……あの時の出会いは最悪だったよな。
聖国で初めてレーツェルの姿を見た時、柄にもなくその姿をもう一度見たいと思った俺は、【聖教会】の中を誰にも見つからないように移動してた。
そして聖教会が管理していた【聖女の禊場】で、水浴びをして裸に近い姿をしていたレーツェルとバッタリ会ったんだよな……。
彼女からしたら懐かしい思い出かもしれないが、俺としては最初の出会いがあれだったからかなり後悔している。
「アムール様。私は……」
レーツェルはゆっくりと顔を俺に向けると、優しく微笑して言う。
「私はあなたに救われました」
「……えっ」
彼女の言葉にぽかんとした俺は目を瞬かせた。



