ヴェルト・マギーア 星の涙 ACT.2

「オフィーリア……愛してるよ。これまでも、これからもずっとお前だけを愛し続ける」

「ブラッド……」
 
オフィーリアは目尻に涙を浮かべると、とても嬉しそうに笑顔を浮かべて俺の顔を見上げた。

俺も軽く笑ってオフィーリアを見つめて、そっと互いに口づけを交わした。

「ブラッド。いつか……またあなたに会える時を――」
 
彼女は最後にそう言うと、青白い光の粒と共にその場から姿を消した。

するとその拍子にアオイホタルたちが飛び散って、俺の隣を通り過ぎていった。
 
俺は手の中に残った一匹のアオイホタルを飛ばし、同時に夜空を見上げた。

「オフィーリア。俺もまたお前に出会えたら今度こそ――」
 
お前にはまだ言っていない言葉が一つあるんだ。

その言葉はもう一度出会えた時にでも聞いてくれるか?

「今からかっこよく言えるように、練習でもしとくか」
 
そう言いながら苦笑した時、心の中に溜まっていた感情たちがすっと消えていく気がした。
 
そうだ。

後悔し続けたって何も始まらない。

今は前を向いて真っ直ぐ歩いて行くんだ。

彼女ともう一度出会うために、俺は俺の道を歩いて行く。
 
その道の先には数多くの辛い事や悲しい事が待ち受けていると思う。

でもその経験は必ず俺の力になってくれるって信じている。

「オフィーリア。見ててくれよな」
 
俺は覚悟を持った瞳で真っ直ぐ前を見据えた。

そんな俺を見守るかのように、夜空に浮かぶ星々の中に一つの流れ星が駆けたのだった。