ヴェルト・マギーア 星の涙 ACT.2

「……約束?」

「ああ、俺は必ずブラッド君も、セシルちゃんも救って見せる。この世界を幸せにして見せる」
 
その言葉にアルファは伏せていた顔を上げて、クラウン様の顔を瞳に映した。

その時、クラウン様の右目が一瞬不気味に輝くとアルファの姿を捉えた。
 
するとアルファはゆっくりと口を開くと言う。

「……うん。分かった。クラウン様がそう言うなら、僕は従うよ」

「……アルファ?」
 
アルファの様子が少し変だと思った私とガンマは、アルファの側に寄ろうとした。

しかしそれをクラウン様は右手で制した。

「これからアルファと同じように、君たちにも俺の力を授けようと思う」

「力……?」
 
その言葉に首を傾げた時、クラウン様の右目がまた不気味に輝いた。

そしてその真っ赤な瞳に私たちの姿が捉えられた時、体の奥底から力が漲ってくる感覚がして、体中の細胞たちが一斉に何かによって組み替えられた気がした。

「……これは?」

「君たちには今、俺の力の一部を受け取ってもらった。そしてその力に反応した体が、力に見合った体へと変化を遂げさせた。でもそれが変わったのは中身だけだ。見た目はいつも通りの君たちさ」
 
クラウン様はそう言って何事もなかったようにニッコリと笑った。

確かに痛みや変な気分はしなかった。

まさかたった一瞬の出来事で、全ての細胞が組み換えられただなんて……。
 
私は自分の手のひらを見下ろしながら覚悟を決め、クラウン様の前に立って地面に片膝を付いて深々と頭を下げた。

「今ここで誓わせて頂きます、クラウン様。私はあなた様から頂いたこの力を持って、必ずクラウン様が望むことの全てを実現させてみせます。ですからクラウン様。私たちが迷わないように、ずっと側で見守っていて下さい」
 
するとアルファとガンマもクラウン様に誓いを立てるように、私同様に地面に片膝を付けると深々と頭を下げる。

そんな私たちの姿を順番に見下ろしたクラウン様は、ニヤリと笑みを浮かべると右目の紅い瞳を輝かせた。

「君たちならそう言ってくれると思っていたよ。俺の願いのために……頑張ってくれよ」

「はい!」
 
それから間もなくして私たちはクラウン様から与えられた力と剣を使い、エアの末裔たちを皆殺しにした。