でもあの人は僕に言ってくれた。

僕自身が傷つかない最善の選択をして欲しいって。

だから僕はもう迷うことなく、クラウン様を裏切れる。

これが僕が選んだ最善の選択だから。

「今なら……分かる」
 
どうしてブラッドさんが自分の命を掛けてまで、オフィーリアさんを守ろうとしていたのか。

どうして諦めることなく、そんなに頑張る事が出来たのか。
 
それは全てオフィーリアさんと言う女性を、心から愛していたからなんだ。

「僕の方が年上なのに、あんなに小さかった彼に僕は気付かされた」
 
だから僕もシエル様を守るんだ。

僕は彼女の事を愛しているから。

「どうして……僕は生まれてきたの?」
 
その応えももうハッキリしている。
 
僕はシエル様……セシルと出会うために生まれてきたんだと、今はそうハッキリと思えるよ。