「これから会いに行く子は、確かに僕にとって大事な子ですよ。でもその子達は僕の子供ではないですよ」
「えっ?」
クラウン様は懐から手帳を取り出すと、とある二人の子供が映っている写真を見せてくれた。
一人は顔を真っ赤にしながらベッドで寝ている。
そしてその男の子の側に居る女の子は、無邪気な笑顔を浮かべながらこちらを見てきていた。
「……この子たちは?」
髪と瞳の色はクラウン様と同じ、金髪と緑色の瞳を持っていた。
てことはこの子たちは……。
「その子はね、僕の兄さんの子供なんだ」
「……えっ! クラウン様……お兄さんが居たんですか?!」
「うん、そうだよ。そんなに驚くことかな?」
「いや……だって」
そんな話し一度も聞いた事がなかった。
てっきり一人家族かとずっと思っていた。
「このベッドで寝ている男の子は長男の【ブラッド君】、そしてこっちに居るのが妹の【セシルちゃん】。二人共僕の甥と姪なんだ」
「……甥と姪」
やっぱりこの二人はクラウン様と血の繋がりがあるんだ。
甥と姪。
でも僕はクラウン様と血の繋がりはない。
僕は……クラウン様の本当の子供じゃ。
「でも血の繋がりがなくとも、アルファ、ベータ、ガンマは、僕の可愛い息子と娘たちですよ」
「っ!」
その言葉に僕は伏せていた顔を上げた。
そんな僕に気がついたクラウン様は、僕を安心させるために優しい笑みを浮かべてくれた。
その笑顔を見たら、また胸の辺りが温かくなった。
「それじゃあ行きますよ。彼等は街から少し離れた森の奥の屋敷に住んでいますから」
「わ、分かりました」
先に歩いて行くクラウン様の背中を見つめながら、僕は写真の中に映るセシルと言う女の子の姿を目に映した。
そして思わずこう思ってしまった。
「可愛い子……だな」
と――
「えっ?」
クラウン様は懐から手帳を取り出すと、とある二人の子供が映っている写真を見せてくれた。
一人は顔を真っ赤にしながらベッドで寝ている。
そしてその男の子の側に居る女の子は、無邪気な笑顔を浮かべながらこちらを見てきていた。
「……この子たちは?」
髪と瞳の色はクラウン様と同じ、金髪と緑色の瞳を持っていた。
てことはこの子たちは……。
「その子はね、僕の兄さんの子供なんだ」
「……えっ! クラウン様……お兄さんが居たんですか?!」
「うん、そうだよ。そんなに驚くことかな?」
「いや……だって」
そんな話し一度も聞いた事がなかった。
てっきり一人家族かとずっと思っていた。
「このベッドで寝ている男の子は長男の【ブラッド君】、そしてこっちに居るのが妹の【セシルちゃん】。二人共僕の甥と姪なんだ」
「……甥と姪」
やっぱりこの二人はクラウン様と血の繋がりがあるんだ。
甥と姪。
でも僕はクラウン様と血の繋がりはない。
僕は……クラウン様の本当の子供じゃ。
「でも血の繋がりがなくとも、アルファ、ベータ、ガンマは、僕の可愛い息子と娘たちですよ」
「っ!」
その言葉に僕は伏せていた顔を上げた。
そんな僕に気がついたクラウン様は、僕を安心させるために優しい笑みを浮かべてくれた。
その笑顔を見たら、また胸の辺りが温かくなった。
「それじゃあ行きますよ。彼等は街から少し離れた森の奥の屋敷に住んでいますから」
「わ、分かりました」
先に歩いて行くクラウン様の背中を見つめながら、僕は写真の中に映るセシルと言う女の子の姿を目に映した。
そして思わずこう思ってしまった。
「可愛い子……だな」
と――



