長い廊下を歩き終わった僕は、目の前にある真っ白な扉に前に立った。
軽く右腕を上げて、真っ白な扉を軽くノックし、息を吸って中に居る物に呼びかける。
「シエル様。朝ですよ、そろそろ起きて下さい」
「…………」
はい、いつも通り返事は返って来ない。
もう何十年とこうしてシエル様をお越しに来ているけど、そろそろ自分で起きる事くらい覚えて欲しい物だ。
そう内心で愚痴りながら、扉を自分の方へと軽き引き、部屋の中へと足を踏み入れる。
部屋の中は相変わらずシンプルで、白一色で統一された世界が目の前に広がっている。
しかし部屋の中にはほとんど何もない状態だ。
置かれている物があるとすれば、それは部屋の真ん中にある真っ白な机と椅子だけ。
部屋の窓には真っ白はレースのカーテンが付けられていて、少し開いた窓から吹き込む風によって、ゆらゆらと洗濯したてのタオルのように、同じリズムを奏でながら揺れている。
俺はその中でも特に大きく揺れているレースのカーテンに向かって歩き出した。
そして軽くカーテンを持ち上げて、奥の部屋へと侵入する。
すると俺の目の前には白くて大きな翼に包まれながら、小さく寝息を立てているシエル様の姿があった。
いつもの光景に優しく微笑みつつ、僕はシエル様の側によって頬を軽く指先でつついた。
「シエル様。朝ですよ〜。そろそろ起きて下さい」
「……う〜ん。…………アルファ?」
「おはようございます。よく眠れましたか?」
「うん……眠れたと思うけど、最近はベータがお越しに来てたから、アルファの姿を見るの久しぶりな気がする」
「そうですか? 僕はいたって元気ですけどね」
そうニコニコした笑みを浮かべながら言う。
シエル様には僕の体の事は言っていない。
気づかれるわけにも行かないから、シエル様の護衛にはしばらくの間ベータに頼んでいた。
ガンマでも良かったけど、僕以外の男がシエル様の部屋に入るのは、何か嫌だったからベータに頼んだんだ。
軽く右腕を上げて、真っ白な扉を軽くノックし、息を吸って中に居る物に呼びかける。
「シエル様。朝ですよ、そろそろ起きて下さい」
「…………」
はい、いつも通り返事は返って来ない。
もう何十年とこうしてシエル様をお越しに来ているけど、そろそろ自分で起きる事くらい覚えて欲しい物だ。
そう内心で愚痴りながら、扉を自分の方へと軽き引き、部屋の中へと足を踏み入れる。
部屋の中は相変わらずシンプルで、白一色で統一された世界が目の前に広がっている。
しかし部屋の中にはほとんど何もない状態だ。
置かれている物があるとすれば、それは部屋の真ん中にある真っ白な机と椅子だけ。
部屋の窓には真っ白はレースのカーテンが付けられていて、少し開いた窓から吹き込む風によって、ゆらゆらと洗濯したてのタオルのように、同じリズムを奏でながら揺れている。
俺はその中でも特に大きく揺れているレースのカーテンに向かって歩き出した。
そして軽くカーテンを持ち上げて、奥の部屋へと侵入する。
すると俺の目の前には白くて大きな翼に包まれながら、小さく寝息を立てているシエル様の姿があった。
いつもの光景に優しく微笑みつつ、僕はシエル様の側によって頬を軽く指先でつついた。
「シエル様。朝ですよ〜。そろそろ起きて下さい」
「……う〜ん。…………アルファ?」
「おはようございます。よく眠れましたか?」
「うん……眠れたと思うけど、最近はベータがお越しに来てたから、アルファの姿を見るの久しぶりな気がする」
「そうですか? 僕はいたって元気ですけどね」
そうニコニコした笑みを浮かべながら言う。
シエル様には僕の体の事は言っていない。
気づかれるわけにも行かないから、シエル様の護衛にはしばらくの間ベータに頼んでいた。
ガンマでも良かったけど、僕以外の男がシエル様の部屋に入るのは、何か嫌だったからベータに頼んだんだ。



