炎国、氷国、聖国、光国、海国、闇国、巨大樹の都と言った国が、あの世界には存在していた。
炎国の者ならば、紅い髪を持ちピンク色の瞳を持っている。
これは炎国特有の物だ。
そして私の出身国である氷国の者たちは、青紫色のターコイズブルーのグラデーション掛かった髪を持ち、冷酷な青紫色の瞳を持っている。
だからあの世界では別の国の者同士が結ばれる事は絶対になかった。
戦争中だって事もあったし、何より他国同士で交流を持つことを望んでいなかったからだ。
特に私の氷国はそうだったしな。
でも今のこの世界ではそんなこと関係ない。
国や種族なんて関係なく、好きな奴と結ばれる事が出来るんだ。
……まあ、それが原因で氷国の血を引く者が少なくなっているのもまた事実だ。
違う国の者同士が結ばれれば、血が薄くなっていくのは当たり前な事だ。
だから私は主を見つける事が出来ない。
私の力を操る事が出来る者が居ない。
氷国の血を少しでも引いていれば、私の力を扱う事は可能だ。
しかし血が薄ければ薄いほど、氷結の力を抑え込む事も、使いこなす事が出来るのも難しくなる。
だから私が望んでいる主は、氷国の血を引き必ず王家の血を引いた者だけと決めている。
そうでなければ生前の頃の私のように、【氷結の力に飲み込まれて死ぬ】羽目になるからな。
「なるほど……。エアがそう決めたって事は、氷結の力は思ったよりも危険で厄介な物なんだな。だが王家の者とそうエアが定めたのは、お前が氷国の王女様だったからなんだろ?」
「っ!」
男の言葉私は目を丸くした。なぜこの男がそこまでの事を知って……。
『サファイア。この人なら大丈夫ですよ』
すると私の耳にとても懐かしく優しい声音が届いた。
「この声……」
私は声が聞こえた男の右腰に視線を送る。
よく男を観察して見ると、ある二つの魔力を感じ取る事が出来た。
私は優しい表情を浮かべて声の主に問いかけた。
「レーツェルなのか?」
『はい! お久しぶりです、サファイア』
レーツェルはとても元気そうに応えると、男が羽織っているマントの中から出てきて、その場で元の人間の姿へと戻る。
その拍子に彼女の白銀の髪が揺れ、優しく細められる金色の瞳が私に向けられた。
そんな彼女の姿を見てホッとした私は優しい笑みを浮かべる。
炎国の者ならば、紅い髪を持ちピンク色の瞳を持っている。
これは炎国特有の物だ。
そして私の出身国である氷国の者たちは、青紫色のターコイズブルーのグラデーション掛かった髪を持ち、冷酷な青紫色の瞳を持っている。
だからあの世界では別の国の者同士が結ばれる事は絶対になかった。
戦争中だって事もあったし、何より他国同士で交流を持つことを望んでいなかったからだ。
特に私の氷国はそうだったしな。
でも今のこの世界ではそんなこと関係ない。
国や種族なんて関係なく、好きな奴と結ばれる事が出来るんだ。
……まあ、それが原因で氷国の血を引く者が少なくなっているのもまた事実だ。
違う国の者同士が結ばれれば、血が薄くなっていくのは当たり前な事だ。
だから私は主を見つける事が出来ない。
私の力を操る事が出来る者が居ない。
氷国の血を少しでも引いていれば、私の力を扱う事は可能だ。
しかし血が薄ければ薄いほど、氷結の力を抑え込む事も、使いこなす事が出来るのも難しくなる。
だから私が望んでいる主は、氷国の血を引き必ず王家の血を引いた者だけと決めている。
そうでなければ生前の頃の私のように、【氷結の力に飲み込まれて死ぬ】羽目になるからな。
「なるほど……。エアがそう決めたって事は、氷結の力は思ったよりも危険で厄介な物なんだな。だが王家の者とそうエアが定めたのは、お前が氷国の王女様だったからなんだろ?」
「っ!」
男の言葉私は目を丸くした。なぜこの男がそこまでの事を知って……。
『サファイア。この人なら大丈夫ですよ』
すると私の耳にとても懐かしく優しい声音が届いた。
「この声……」
私は声が聞こえた男の右腰に視線を送る。
よく男を観察して見ると、ある二つの魔力を感じ取る事が出来た。
私は優しい表情を浮かべて声の主に問いかけた。
「レーツェルなのか?」
『はい! お久しぶりです、サファイア』
レーツェルはとても元気そうに応えると、男が羽織っているマントの中から出てきて、その場で元の人間の姿へと戻る。
その拍子に彼女の白銀の髪が揺れ、優しく細められる金色の瞳が私に向けられた。
そんな彼女の姿を見てホッとした私は優しい笑みを浮かべる。



