部屋の中から聞こえるはずのない声が耳に届き、私は伏せていた顔を上げる。
青紫色の瞳を鋭く細め、部屋の真ん中に立っているフードを被った人物を睨みつける。
その人物はこの部屋の真ん中で堂々と仁王立ちしていた。
その姿に内心驚きながらも疑問に思う。
こいつ……一体どこから入ってきた?
ここは魔法協会が厳重に管理している部屋の一つで、外部からは誰も入れないように何重にも結界が敷かれている。
もしこの部屋に入って来れるとするなら、それはこの仁王立ちしている奴の後ろに見えるたった一つの扉だけだ。
しかし扉が開いた音は聞こえなかった。
だからこいつは何重にも敷かれている結界を越えて、扉を使わずこの部屋の中に入ってきたという事になる。
一体どんな方法を使ってこの部屋に入ってきたって言うんだ?
「もう一度聞くぞ。お前が氷の女神か?」
「……ああ、そうだ」
私の返答にフードを被った人物は軽く頷くと、被っているフードに手を掛けてゆっくりと下ろした。
フードの中から金髪の髪が姿を現し、きつく細められる緑色の左目とは違い、右目には丁寧に包帯が巻かれていた。
顔立ちはこの私でも整っている方だと思ってしまうほどの物だが、どこか酷く疲れているようにも見える。
男の姿を頭から下まで見下ろそうとした時、私は男の首から下げられているある物の存在に気がついた。
「っ!」
男は私の視線の先に気がついたのか、首から下げられている守護石を一度見下ろしてから、直ぐに私へと目を戻した。
なぜこの男がエアの身につけていた物を持っているんだ?
あれは彼女が巨大樹から譲り受けた物だと言っていた。
だから彼女は【お母様から貰った物だから】と言って、いつも肌身離さず身につけていた。
しかしこの世界が作られてから、彼女の行方も星の涙の存在も、守護石の行方も分からないでいた。
でもこの男はエアの守護石を身に付けている。てことは、私がどういう存在なのかも知っている可能性が高い。
青紫色の瞳を鋭く細め、部屋の真ん中に立っているフードを被った人物を睨みつける。
その人物はこの部屋の真ん中で堂々と仁王立ちしていた。
その姿に内心驚きながらも疑問に思う。
こいつ……一体どこから入ってきた?
ここは魔法協会が厳重に管理している部屋の一つで、外部からは誰も入れないように何重にも結界が敷かれている。
もしこの部屋に入って来れるとするなら、それはこの仁王立ちしている奴の後ろに見えるたった一つの扉だけだ。
しかし扉が開いた音は聞こえなかった。
だからこいつは何重にも敷かれている結界を越えて、扉を使わずこの部屋の中に入ってきたという事になる。
一体どんな方法を使ってこの部屋に入ってきたって言うんだ?
「もう一度聞くぞ。お前が氷の女神か?」
「……ああ、そうだ」
私の返答にフードを被った人物は軽く頷くと、被っているフードに手を掛けてゆっくりと下ろした。
フードの中から金髪の髪が姿を現し、きつく細められる緑色の左目とは違い、右目には丁寧に包帯が巻かれていた。
顔立ちはこの私でも整っている方だと思ってしまうほどの物だが、どこか酷く疲れているようにも見える。
男の姿を頭から下まで見下ろそうとした時、私は男の首から下げられているある物の存在に気がついた。
「っ!」
男は私の視線の先に気がついたのか、首から下げられている守護石を一度見下ろしてから、直ぐに私へと目を戻した。
なぜこの男がエアの身につけていた物を持っているんだ?
あれは彼女が巨大樹から譲り受けた物だと言っていた。
だから彼女は【お母様から貰った物だから】と言って、いつも肌身離さず身につけていた。
しかしこの世界が作られてから、彼女の行方も星の涙の存在も、守護石の行方も分からないでいた。
でもこの男はエアの守護石を身に付けている。てことは、私がどういう存在なのかも知っている可能性が高い。