彼女を守りたいと思う中で、心からお前の事を愛おしいと思うようになっていった。

生まれて初めて、この世界で一番大切な人が出来たんだよ。だが――

「でも……結局俺は……お前を救えなかった!!」
 
その言葉と同時に再び涙が溢れた。

ボロボロと涙が頬を伝たり、光を失っている星の涙の上に落ちる。

その拍子に星の涙に一点の光が灯った。

「ごめん……オフィーリア。俺のせいで……お前は!」
 
彼女を守ると言っておきながら、逆に俺が彼女に守られていたんだ。

全ては俺が弱かったせいでこうなってしまったんだ。

俺が……オフィーリアを死なせてしまったんだ!

「今更……こんなこと……お前に言う資格はないのかもしれない。でも……俺はお前を……」
 
俺はオフィーリアの顔を覗き込んで口づけを落とした。
 
本来ならこんなこと許されるべき事じゃないって分かっている。

オフィーリアを死なせてしまった自分に、彼女を愛する資格がないって事も知っている。
 
でも……それでも俺はオフィーリアを忘れることなんて出来ない。

彼女の代わりになる存在だって必要ない。

俺がこの世界で愛しているのは、腕の中で目を閉じているオフィーリアだけなんだよ。

俺が……死なせてしまった彼女だけなんだよ。

「オフィーリア……好きだよ。誰よりも……お前だけを……愛してる……!」
 
そう小さく呟いてから、彼女の髪に顔を埋めた時だった。

「――る」

「っ!」
 
俺の耳に掠れた声が届く。

「……ッド」
 
俺はその声に耳を疑いながら、オフィーリアの顔を見下ろした。
 
すると彼女は閉じていた目を薄っすらと開けると、ゆっくりと俺の頬に手を伸ばした。

その姿に俺は目を丸くして、震える声で彼女の名を呼ぶ。