ヴェルト・マギーア 星の涙 ACT.2

「そんなわけ……ないじゃないですか。あの人は自分の強欲のためだけに、星の涙を使ってこの世界のトトになろうとしているんですよ! エアの願いを叶える気なんてあるはずがありません!」
 
私の言葉にクリエイトは軽く息を吐くと、左目を細めてじっと私を見てきた。

「君は……彼の何を知っているの?」

「何を……て。……少なくとも私は、クラウンがこの世界のトトになれるはずがないと思っています。あんな人が……トトになれるはずがないんです!」

あの世界で彼はこの世界を作る時に差し出した対価を背負ながらも、私の意識を元の世界へと戻してくれた。

そして彼はもう一度深い眠りついてしまった。

約束が果たされる事を心から願いながら。

「トトの側にずっと居たあなたなら分かるはずです! あの男がトトになり得る事は決してないことを! 自分の願いを叶えるためだけに、罪のない多くの人を殺して来てきたあの人が、エアの願いを叶えてくれる存在? あなたは本気でそう思っているんですか?!」

「……」
 
クリエイトは顔を伏せながらじっと私の言葉を聞いていた。

その姿に警戒した時、クリエイトは私に向かって左手をかざした。

「っ!」
 
すると突然、酷い睡魔が私を襲ってきた。

目の前が大きく揺れて、意識が闇の中へと誘われていく。

「君は……全然クラウンの事を分かっていない。それに……トトのことも」

「そ……れは、どういう……」

「確かにクラウンは……君からしたら……決してトトになり得る存在ではない。でも……僕からしたらクラウンこそが……誰よりもこの世界の事を考えていた人物……なんだよ」
 
僕……? 確かさっきまで私って……。

「僕は……絶対に認めない。未来があの男こそが……トトだと言っていても、僕は……認めない!」
 
クリエイトのスピネル色の瞳が紅く輝いた時、私の体から力が抜けた。

「君は幻の世界に……居ると言い。そこでなら……君が心から欲しかった世界が……待っているから」
 
体から力が抜けて私はその場に膝を付く。

なんとか意識を保とうとしても、私の意識はどんどん闇の中へと誘われていく。