ヴェルト・マギーア 星の涙 ACT.2

すると右目の魔力はそのままアムールへと流れていく。

俺はガンマの大剣を押し返してそのまま後ろへと大きくジャンプした。

「いったい何をする気だ!」
 
俺は魔剣アムールの切っ先を天へと伸ばした。そして更に右目に魔力を注いだ。

「今から俺のとっておきをお見舞いさせてやる」
 
その言葉にガンマは目を見張ると苦笑した。

「こりゃ……なんつ〜魔力だ。もしかしたらこりゃ……クラウン様以上なんかじゃねぇか?」
 
俺はガンマの後ろで気絶しているベータへと視線を送った後、ガンマへと目を戻し詠唱を始めた。

「炎と焔の精霊よ、愛情の精霊よ、その力と思いを我魔剣アムールに捧げよ!」
 
詠唱と共にアムールの刀身が紅い輝きを放った。

「ま、魔剣だと! その剣……魔剣か!」

「ああ、そうさ。俺はオフィーリアを守るためにこの力を手に入れた! そしてクラウンを倒すためにもな!」
 
凹みの中にある紅玉に魔力が溜まると、赤紫色の炎が刀身に宿った。

俺は剣を構えてガンマに向かって走って行く。

「クラウンの願いのためだけに、オフィーリアを犠牲になんかさせない! オフィーリアはこの俺が守りぬいてみせる!! そして必ず一緒に未来へ行くんだ!!」
 
するとアムールの刀身に宿った炎の威力が増した。

これが魔剣アムールの能力である【愛した人を思えば思うほど魔力が増していく】力だった。

「ま、魔力が上がっているだとぉ!」
 
ガンマは迫ってくる俺の姿を見て大剣を構えようとする。

しかし俺は右足を思い切り踏み込んで、一気にガンマとの距離を縮めた。

「なっ!?!」
 
ガンマが大剣を構える前に俺はアムールの刀身を振り下ろした。

「愛の絆(アモールプロメッサ)!!」
 
赤紫色の炎がガンマの体を斬り斬り捨てたと同時に、大剣の刀身には全域にヒビ割れが生じると、粉々になって砕け散った。

「ごふっ……」
 
ガンマの横っ腹からは勢い良く血が吹き出た。

そしてガンマは両膝を地面に付いた。

俺は後ろへと軽くジャンプしてアムールを鞘に戻して、二人の様子を伺った。