ヴェルト・マギーア 星の涙 ACT.2

「光の精霊よ、守護の精霊よ、その力を以て我を守りたまえ、神も守り(ドゥーシールド)!」
 
直ぐに神の守りで自分の体を包み込んだと同時に、ガンマは魔力の込められた斬撃を俺目掛けて放った。
 
そして神の守りと斬撃が勢い良くぶつかった。

「ぐっ!」
 
思ったよりも衝撃が強く神の守りに軽くヒビが入った時だった。

ガンマは更に追い打ちをかけるように俺に向かって左手をかざした。

「闇の精霊よ、破壊の精霊よ、その力を全て我が剣に集めよ」
 
ガンマの持つ大剣に黒い精霊たちが集まると、それは一本の黒い槍へと姿を変えた。

その光景に目を見張った俺は【まずい】と思って、右目に魔力を注いで神の守りを強化する。

「いくらお前さんでも、これは受け止めきれねぇだろ! 悪魔の槍(トライデント)ぉぉぉぉ!!!!」

「――っ!」
 
ガンマによって放たれた悪魔の槍はいとも簡単に神の守りを突き破った。

そして同時に爆発によって爆風が舞い上がり土煙が上がった。
 
少し離れた位置で俺とガンマの様子を伺っていたベータは、さすがにまずいと思ったのかガンマの側へと走って来た。

「ガンマ! あなた何てことをしたのよ! 殺しても良いなんて命令はクラウン様から下っていないわよ!」
 
そのベータの言葉にガンマは冷たい目を浮かべた。

そして鋭く目を細めるとベータを見下ろした。

「んぁ? お前は何を甘い事を言ってやがる? ここでこいつを殺しておかなきゃ、後々困るのは俺たちの方だろうがよぉ。【殺してもいい】なんて命令が下っていねぇとしても、あのお方なら必ずこの男の排除を望むはずだ」

「し、しかしそれではオフィーリア様との約束が!」
 
ガンマは面倒くさそうに深く息を吐くと、俺が立っていた場所に目を戻した。

「俺はお前と違って、もう命令なんて待たねぇって決めたんだよぉ。命令なんて待ってりゃ、時間だけが過ぎて行って何も出来やしねぇ。その間に出来ること何てたくさんあんだよ。……お前はそうやって何時までも命令を待っていやがれ。俺は俺のやり方であいつを殺すからよぉ」