ヴェルト・マギーア 星の涙 ACT.2

✭ ✭ ✭

「あなたがここへ来るとは思ってもいませんでしたよ」
 
ベータは俺を睨みつけながら腰にある剣を抜いた。

同時にガンマも背中に背負っている鞘から大剣を抜いて構えた。
 
その姿に俺は軽く笑い口を開く。

「普通そこは【やっぱりあなたは来ると思っていましたよ】って言うのが、正解なんじゃないのか?」
 
俺の言葉にベータは更に表情をキツくした。

その様子から彼女が今物凄く虫の居所が悪いんだと言う事が分かった。
 
せっかく可愛い顔しているのに勿体ない……。

「んで、そこのデカ物がガンマって言うんだろ? 初めましてだな」

「ああ、そうだ。俺がガンマだ」
 
ガンマはそう言って笑うと俺に向かっていきなり突進して来る。

その姿を見たベータは慌てて口を開いた。

「が、ガンマ待ちなさい! クラウン様の命令がまだ!」

「命令なんて待ってられっかぁ! 俺はずっとこいつとやり合いたかったんだからよぉ!!」

ガンマは大きくジャンプすると、大剣を俺目掛けて思い切り振り下ろした。

俺は大剣を避けるために左へと飛びそしてガンマに手をかざす。

「炎と焔の精霊よ。その力を合わせて目の前の者の体を穿て、焔の槍(フレイムランス)!」
 
俺の背後に無数の焔の槍が姿を現すと、それはガンマに向かって飛んで行った。

しかしガンマは避けることはせずニヤリと笑みを浮かべると、大剣を構え直して左から右へ大きく振るうと焔の槍を一掃した。
 
その拍子に俺たちの周りを取り囲んでいた大木たちが、一斉に何十本と切り払われた。

その光景に俺は思わずビビった。

「うっわ……なんっつ〜馬鹿力だ!」
 
あんなのまともに受けたら、さすがの俺でも体が真っ二つになって即死だな。
 
そんなことを考えていた時、ガンマは大剣を肩に担ぐと大きく高笑いを上げた。

「がっはははは! さすがのお前さんでもこの力にはビビったようだなぁ! だが次は……避けさせねぇぜ!」
 
ガンマは両手で大剣の柄を力強く握りしめると、大剣に自分の魔力を注いでいく。

その姿に俺の中で嫌な予感が過って、自分の目の前に手をかざした。