ヴェルト・マギーア 星の涙 ACT.2

生まれながらにして高い魔力を持っていた子供が、普通に長く生きる事が出来ている……しかも彼は今年で八歳になろうとしている。

まさか自分で無意識的に魔力をコントロールしているのだろうか?

「クラウン?」
 
俺は数秒考え込みニヤリとまた笑みを浮かべた。

そしてニッコリと微笑み直してクロードに向き直った。

「分かった。じゃあ今度ブラッド君の体を見てあげるよ」

「ほ、本当かクラウン!」
 
クロードは嬉しそうに笑顔を浮かべると両手で俺の手を掴んできた。

「だってクロード兄さんの子供だよ? クロード兄さんの子供ならその子は、俺の大事な甥でもあるんだから、助けるのは当然さ」
 
と、心にもない事を言って俺はクロードにブラッド君を連れて来るように促した。
 
それから数日後、クロードは俺が指定した研究所へブラッド君と一緒にやってきた。

「ほら、ブラッド。クラウンおじさんだぞ」

「……クラウン……おじさん?」
 
ブラッド君は顔を真っ赤にしながら虚ろ虚ろと俺を見てきていた。

どうやら今は熱が高いせいで意識がもうろうとしているようだね。

「やあ、ブラッド君。久しぶりだね。随分と大きく――」

そして初めてブラッド君の姿をこの目で見た時、俺は彼から特殊な魔力を感じ取った。

「この魔力の性質は……!」
 
彼に伸ばしかける手を止めて、俺は右目に魔力を注いで彼の魔力の性質を見てみた。

そう……彼の魔力の性質はまるで、【トトの魔力そのもの】だったんだよ。

さすがにその答えに辿り付いた時は、直ぐに納得する事は出来なかったけどね。
 
トトはあの世界で眠りについたまま死んでいない。

死んでいないから転生することだってない。

だから俺はトトに似た魔力の性質を生まれながらに持っていたブラッド君に興味を持った。