「俺は他の守護者たちとは違って、特別な力なんて何一つ持っていなかった。トトたちに出会う前の俺は本当に無力な存在で、そのせいで大切な人を見殺しにしてしまったんだ」
アルは右の手のひらを見下ろしながら、悔しい表情を浮かべた。
「だからお前の愛する人を守りたい、救いたいと言う願いは他の誰よりも理解出来る。昔の俺もそうだったからな。……だから俺はお前にこの力を授ける」
「っ!」
そのとき俺は自分の服装が変わっている事に気がついた。
同時に体の中に熱い物を感じて、力が漲ってくる気がした。
アルの思いと俺の思いが重なって一つの力になり、少しだけど魔力が上がった気がした。
これで更に俺がオフィーリアを思えば思うほど魔力が上がっていくのか。
でもやっぱり少し恥ずかしいな……。
「お前には俺と同じ経験をしてほしくない。愛した人を目の前で失う悲しみは、俺だけが持っていれば良いものだ」
「っ! そんなことありません!」
するとずっと顔を伏せていたレーツェルが、今のアルの言葉を聞いて声を上げた。
いきなり声を上げた事に流石のアルも驚いたのか、軽く目を見張りながら彼女を見ていた。
しかしレーツェルはそんなアルの側に寄ると、ぎゅっと彼の手を握った。
「その感情をアムール様だけが持っていれば良いだなんて、そんなのおかしいです! 愛した人を失う事は誰にだってあります。あの時みんなは……大切は人をそれぞれ失っているんです。私だって…………アムール様を失いました」
「……レーツェル」
レーツェルはボロボロと涙を流すとアルの体に抱きついた。
そんなレーツェルの体をアルは優しく抱きしめ返した。
「アムール様……もうやめて下さい。もう自分ばかり責めないで下さい。ヘレナ様の事で傷つくアムール様を見るのは……辛いです」
アルはその言葉に表情を歪めると、ゆっくりと頭を左右に振った。
アルは右の手のひらを見下ろしながら、悔しい表情を浮かべた。
「だからお前の愛する人を守りたい、救いたいと言う願いは他の誰よりも理解出来る。昔の俺もそうだったからな。……だから俺はお前にこの力を授ける」
「っ!」
そのとき俺は自分の服装が変わっている事に気がついた。
同時に体の中に熱い物を感じて、力が漲ってくる気がした。
アルの思いと俺の思いが重なって一つの力になり、少しだけど魔力が上がった気がした。
これで更に俺がオフィーリアを思えば思うほど魔力が上がっていくのか。
でもやっぱり少し恥ずかしいな……。
「お前には俺と同じ経験をしてほしくない。愛した人を目の前で失う悲しみは、俺だけが持っていれば良いものだ」
「っ! そんなことありません!」
するとずっと顔を伏せていたレーツェルが、今のアルの言葉を聞いて声を上げた。
いきなり声を上げた事に流石のアルも驚いたのか、軽く目を見張りながら彼女を見ていた。
しかしレーツェルはそんなアルの側に寄ると、ぎゅっと彼の手を握った。
「その感情をアムール様だけが持っていれば良いだなんて、そんなのおかしいです! 愛した人を失う事は誰にだってあります。あの時みんなは……大切は人をそれぞれ失っているんです。私だって…………アムール様を失いました」
「……レーツェル」
レーツェルはボロボロと涙を流すとアルの体に抱きついた。
そんなレーツェルの体をアルは優しく抱きしめ返した。
「アムール様……もうやめて下さい。もう自分ばかり責めないで下さい。ヘレナ様の事で傷つくアムール様を見るのは……辛いです」
アルはその言葉に表情を歪めると、ゆっくりと頭を左右に振った。



