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『本当にこの先で合っているのか？』

「ああ！　絶対に間違いない！」
　
俺は右目に魔力を注ぎながら、猛スピードで森の中を駆け抜けて行く。

それはこの先に前に感じた覚えのある魔力を察知したからだ。
　
だからこの先には必ず居るはずなんだ！

「二ヶ月かけてようやく見つけたんだ！　間違えるはずなんてないだろ！」

『大した自身だ。なら、ここで立ち止まるわけには行かないな』

「おう！」
　
森を抜けると先に続く道はなかった。

しかし俺は迷う事なくその先へと走って飛び降りた。

そのとき曇り空の中から太陽が顔を出し、俺の濡れた金髪と首から下げられた守護石を照らした。

腰にある魔剣アムールとレーツェルも光を浴びてそれぞれの輝きを灯す。

「レーツェル。お前は先にオフィーリアのところへ向かってくれ」

『分かりました。オフィーリアの事は私に任せて下さい！』
　
レーツェルは腰からすり抜け出ると、目の前に見える大きな研究施設に向かって飛んで行った。
　
地面に上手く着地した俺は鞘から魔剣アムールを抜き、こちらに向かって来ている二つの大きな魔力の反応に備えた。

「アル。一つ聞いてもいいか？」

『なんだ？』

「【この力】は俺だったらどこまで保ちそうだ？」
　
俺の質問に数秒考え込んだアルは言う。

『お前だったら余裕で一週間くらい保つ』

「ふっ。だったら遠慮なくこの力を使わせてもらう！」
　
そう言ってアムールを構えた時に、右半分に着ている紫色の着物の袖丈が揺れる。

太陽の光に照らされ袖に白く彩られた和の花が煌めいた。

「見せてやろうじゃないか！　俺たちの力を！」
　
俺だってこの二ヶ月何もしていなかったわけじゃない。

強くなるための期間としては短かったけど、それでも今の俺は十分強くなれたと思うんだ。