星の涙はエアの願いを叶えようとはしている。

しかし自分ではトトを探し出す事は出来ない。

だからその権利を主に委ねて、主が【この人がトトです】と認めてしまえば、星の涙はその人をトトだと見極めて、エアの最後の願いを叶えたと判断する。
 
もちろん星の涙がエアの願いを叶えた後、どうなるのかも聞かされた。
 
エアの願いを叶えた星の涙はこの世から消滅し、今度こそ星に還ると言われているらしい。

でもそれが本当かどうかは分からない。
 
現状エアの願いを叶えた者は存在していないのだから。

でも……もし星の涙がエアの願いを叶えてしまったら、私の命も終わりを告げると言っていた。

「だから俺は君が必要だったんだよ。星の涙だけでは俺はこの世界のトトになる事は出来ないからね。君が今直ぐにでも俺をトトだと認めてくれさえすれば、君をようやく星の涙から開放してあげる事が出来る。ようやく幸せになれるんだよ?」
 
最初はその言葉の意味が分からなかった。

でも後になってよく考えてみたら、その言葉の意味は直ぐに分かった。
 
クラウンが私を狙っていた理由って言うのが、自分自身をこの世界のトトとし選ばさせるためだった。

きっと最初の頃は星の涙さえあれば、自分がこの世界のトトになれるんだと思っていたんだろう。

でもお兄様から話を聞いたクラウンは、星の涙だけではこの世界のトトになる事は出来ないと知ってしまった。
 
だからクラウンはアルファやお兄様を使って、何とかして私と言う存在を手中に収めたかった。

お兄様が私をクラウンの元へ差し出した理由だって……だいたいの察しはついた。

「だから結局私は……死ぬしかないんですよね?」
 
【愛していない人のためなら、簡単に死ねるだろ?】って言うのが、お兄様が本当に私に言いたかったことなのかもしれない。